3対3が育成年代のバスケットボールに有用な4つの理由
私が大学生のころの話です。私がクリスマス休暇で地元に戻ったとき、偶然にも私の高校時代のコーチであるケイシー・ディッチ氏(Casey Ditch)と会い、育成年代のバスケットボールについて話し合いました。
彼は私にこんなことを話しました。
「若いプレイヤーはみんな、もっと3対3のゲームをやって欲しいんだ。それは私が若い頃にしてきたことなんだ」
この言葉に私はとても興味をそそられました。なぜなら、彼は現役時代かなりの名プレイヤーだったからです。州の得点王で、シカゴ・ブルズの殿堂入りプレイヤー、ボブ・ハンセン(Bobby Hansen)を打ち負かしたこともあるほどです。
彼は信じられないほどのスキルの持ち主で、当時もそれをやってのけるほどでした。彼が両足首を故障しなければ、どんな偉業を残していたか想像できないほどです。
もし若い頃にハーフコートの3対3の試合をやっていたことが、彼を名プレイヤーにしたのであれば、ほかのプレイヤーも同様な恩恵に預かれるのではないだろうか。
私が彼との会話についてもう少し考えたとき、私も若い頃に多くの3対3を行ってきたことに気づきました。私は4年生のときに3対3のトーナメントに参加し始め、6年生まで5対5をプレイしませんでした。しかし私は、8歳から5対5をプレイしてきた選手たちに対して、とてもうまく対処していました。
3対3には多くの意味があります。それは長い目で見た選手の成長に寄与する、いくつかの理由があります。
1.選手はより多くボールに触れることができる
5対5では、選手は試合の多くの場面でボールを触れることができません。一方3対3ではすべてのポゼッションでボールに触れることができます。選手が試合の状況でボールを扱う経験をより多く得られたとき、ボールに触れることが困難な5対5ばかりしている選手よりも、成長することができるでしょう。選手がポイントガードかスターポストプレイヤーであるかどうかは関係なく、より多くのボールに触れる機会があるのです。
2.より多くのスペースがある
特に12歳以下の多くの若い選手は、10人の選手がひしめく5対5の環境で発揮できるスキルやストレングス、経験を有していません。3対3は選手により多くのスペースを与え、スキルを訓練する機会を与えます。
3.試合を学ぶことができる!
コートに6人しかいないのであれば、彼らがそもそもできるプレイの選択肢が少ないことや、コーチがいないことでピックアンドロールやスクリーン、オフボールスクリーンなどの指示をされることがないため、選手自身でプレイを選択する傾向が強まります。
しばらくすると、選手は途方も無いファンタスティックなプレイと実際にできるプレイを、正確に把握し、できることにフォーカスし始めます。10人の選手がコートにいる状態では、スキル、ストレングス、経験の不足により、選択肢はあるものの実行不可能です。3対3では、状況を把握する時間を選手に与えることができます。
4.プレスやゾーンがない
フルコートプレスやハーフコートプレス、1-3-1や3-2、2-3、トライアングル2やボックス1の対処を学ぶ代わりに、ファンダメンタルに集中することができます。育成年代のコーチは、こうした年代では気にする必要のない事柄で、貴重な時間を浪費しています。
この年代で行ったプレスは、高校や大学では99%役立たないでしょう。私が見てきたプレスの多くは、ボールを2〜3人で囲んで、ボールマンがどこか遠くに投げ、誰かがそれをキャッチするのを期待するのみです。これは単に、バスケットボールの成長システムの欠陥を利用する戦術です。この年代の選手には、これらの状況に正しく対応するスキル、ストレングス、経験がないためです。
バスケットボールのスキルやコンセプトの理解に時間を使うことは、将来的により多くの利益をもたらします。言うまでもなく、ゾーンやプレスを間違って教えれば(ほとんどの場合はそうですが)、より高いレベルでは通用しないような、恐ろしい習慣を引き起こす可能性すらあります。
個人的に、私は10〜11歳までは、5対5を行う必要はないと感じており、それすら早すぎると一部では考えているほどです。
さて、あなたはどう考えますか?
出典:Could 3 on 3 Basketball Be the Best for Youth Players?|breakthroughbasketball.com
※本記事は出典元の許諾を得た上で、全文翻訳の形で掲載しております。
この記事の著者
- JeffとJoeのHaefner兄弟が2006年に開始。バスケットボールコーチ向けの情報サイトやDVD、キャンプやアプリなどのコンテンツを開発。これまでに200万以上の訪問者、1万以上の記事を公開するなど、バスケットボールコーチへのサポートを提供している。
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