1on1の基本「ジャブステップ」をマスターするためのポイント

ジャブステップ

今回は「ジャブステップ」の使い方について議論していきたいと思います。
日本ではミートした後すぐに仕掛けるドライブが重視されますが、アメリカではきちんとリングに正対(スクエアアップ)した状態からのジャブステップドライブが重要視されているように感じます。特にアウトサイドプレイヤーやハイポストでプレイするインサイドプレイヤーにとっては必要不可欠ですね。

ジャブステップとは、「ボールを持っているときに、ディフェンスの弱点を探るために行う小さいステップ」だと僕は考えています。止まった状態から1on1を仕掛ける時には必要不可欠な要素であり、一番のファンダメンタルと言ってもよいかもしれません。

基本的な判断は、

  1. ディフェンスが反応しない→ジャブした方向にオープンステップドライブ
  2. ディフェンスが横に反応→ジャブした方向と逆にクロスステップドライブ
  3. ディフェンスが下がるor手を下げる→シュート

の3種類です。これだけ見れば簡単そうに見えるのですが、このジャブステップ、実は知れば知るほど奥深いものなのです。コーチによっても考えが違いますし、NBAプレイヤーが使っているジャブステップもプレイヤーによってかなり違います。しかしほとんどのコーチ、プレイヤーに共通するのは、

  • 頭は常に両足の真ん中(重心の近く)におき、バランスをとること
  • ポンプフェイクを組み合わせ、ディフェンスが飛んだら即ドライブすること

だと思います。これだけは共通です。どの方向に行くにも、シュートを打つにも、次の動作にすぐ移れるようバランスを保つのは最重要要素です。ほかにいくつか議論があるのですが、それぞれについて僕なりの考え方を書いていきたいと思います。

➀ジャブステップは、小さい方がいいのか? 大きい方がいいのか?

小さいジャブステップはほかへの切り替えがしやすい一方、ディフェンスを反応させる量は少なくなります。大きいジャブステップはディフェンスを反応させる量は多くなりますが、ほかの方向、ほかの動きへの切り替えは遅くなります。

僕はほかの動き、特にシュートへすぐに移行できるのがジャブステップの強みだと考えているので、基本は大きくなりすぎないように指導します。一番大きくて肩幅よりも少し広いくらいでしょうか。この肩幅より少し広い(つまり大きめの)ジャブステップは、相手を「動かしたい」ときに使います。この少し大きめの鋭いジャブステップを「エクステンド(extend)」と呼ぶこともあるそうです。

ただし抜き去るときのステップはもちろん大きく、鋭いほうが良いです。

➁ジャブステップは「どこに」踏めばいいのか?

前、横などいろいろと言われていますが、少なくともナンセンスなのが横に踏むことです。横に踏んだところで、ディフェンスにとっては距離も詰められていないため怖くなく、そのため下がってもくれません。前方向に関しては、真ん前に踏むのは相手が極度に接近していて、スペースをこじ開けたい時に限られます。

僕は、できるだけ相手の足の近くに踏むべきではないかと考えています。つまり斜め前です1on1は基本的に、ディフェンスの足の真横のスペース(1ステップアヘッド)を先にとったほうが勝ちです。いわば陣取り合戦のようなものです。ということはそこをめがけてステップすると、その陣地に足が近づくため、よりそのスペースを先にとりやすくなります。つまり、相手が反応しなかった時のオープンステップが生きやすくなります。

ディフェンスもそれを知っているため、優秀なディフェンダーほどそのステップをいやがり、反応しやすくなります。いったん近くに足を運ばれれば、先にスペースを取るのが難しくなることを知っているからです。反応してくれれば、逆へのクロスステップや下がってのシュートが生きます。

従って、相手が反応せずオープンステップドライブに行くにしても、反応させてクロスステップドライブやシュートに行くにしても、できるだけ相手の足の近くに踏むべきだと考えています。

➂ジャブステップは速い方が良いのか、それとも遅い方がいいのか?

僕は速いジャブステップはディフェンスを「動かす」ため、一方ゆっくりしたジャブステップはディフェンスを「見る」ために使うべきだと考えています。

特に「速い」ジャブステップの時は、ボールもフェイクする方向へ一緒にスイングするとよりディフェンスを反応させられます。

どちらにも意味があると思うのですが、僕のおすすめは次の合わせ技です。まずキャッチした後リングに正対し、ゆっくりとジャブステップを踏み始める。その後の動きを以下に記します。

  1. ジャブステップを踏んでいる間にディフェンスが離れている、もしくは手が下がっていたら、すぐに足を下ろしてシュート
  2. ゆっくり踏んでいる間にディフェンスが少しでも横に反応したら、素早いジャブ(フェイク)を斜めに踏んで十分に横に反応させた後、逆へクロスステップドライブ
  3. ゆっくり踏んでいる間にディフェンスが少しでも後ろに反応したら、素早いジャブ(フェイク)を斜めに踏んで十分に後ろに反応させた後、足を戻してシュート
  4. ゆっくり踏んでいても全く反応しなければ、足が着く直前、もしくは足をついた直後に一気に加速してオープンステップドライブ
  5. どれもうまくいかなければ足を戻し、もう一回ジャブステップ(繰り返し)

という緩急の付け方がお勧めです。常に速いステップを踏むのではなく、ゆっくりしたステップを混ぜることでより効果的になりますし、相手の状態を感じる余裕にもつながります。

最後に、カーメロアンソニーのジャブステップ集を編集したので載せておきます。彼はこのジャブステップを使って緩急をつけるのが非常に上手です。ぜひチェックしてみてください! ただあくまでこれは僕の考えです。特にこの分野は、僕と異なる意見の方も多いかもしれません。少しでも新たな発見があれば嬉しいですし、ほかにも意見があれば是非情報交換したいと考えています。「私はこう思う」などありましたらガシガシコメントください! よろしくお願いします!

この記事の著者

森 高大
森 高大
1989年生まれ、香川県出身。香東中学校-高松高校-東京大学-ウェストバージニア大学大学院アスレティックコーチング専攻。小学校からバスケを始め、大学3年次までプレイヤー4年次には学生コーチと主務を兼任しながら、株式会社Erutlucで小中学生の指導にあたる。現在はアメリカDivision I 所属のウェストバージニア大学大学院でコーチングを専攻しながら、男子バスケ部でマネージャーとして活動中。
コーチMのブログ http://ameblo.jp/tamorimorimori83/

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