若いバスケットボールコーチに伝えたい10のこと −ベテランコーチの教訓−

若いバスケットボールコーチに伝えたい10のこと −ベテランコーチの教訓−

私はかれこれ7年以上もブログを書き続けていて、その中にはゲストから寄稿いただいたものもある。今回の記事もその一つで、コーチ ジム・バーソン (www.JimBurson.com)からいただいたものだ。これより以下は全てコーチ バーソンからのメッセージだ。

はじめに

私は40年あまりのコーチとしての経験を、最初の時間まで振り返ってみた。わたしがこれまで直面してきた落とし穴についてまとめることが、皆さんの警告になればと思っている。これから書くことを当時の私が読めば、どれもが自分には当てはまらないと感じただろう。しかしながら、私はこれらの考えがあらゆるコーチにとって有用であると考えている。

1.全ての選手が、あらゆる練習を好むわけではない

あなたにどれだけの経験があり、どれほど教えることに長けていようと、選手が練習に興味を示さないケースに直面することがあるだろう。そのときに、選手を罵倒したり非難するという誘惑を受け入れてはならない。代わりに、あなたの声のトーンを変えてみたり、あちこち動き回ったりするといい。あるいはスクリメージのように、話をしてから動きいていい。スクリメージのプロセスが、選手の理解と可能性、興味レベルを引き上げるのだ。

Teach them anyway:どのような手を使ってでも教えなさい。

2.練習がうまくいかないときは、一度止めて練習を再編成する

もしあなたが事細かに練習を計画してきて、明確なゴールを持っていたとしても、そのアプローチがうまくいかないのであれば、いかなる理由であっても練習を止めるべきだ。計画の編成を変えて、異なるアプローチで再会するか、さもなければ完全に事前の計画を破棄しなさい。その後に、計画がうまく行かなかった理由を調べて、翌日の計画を立てなさい。

Do it. Do it right. Do it right now:必ず、正しく、いますぐにやりなさい。

3.あなたのコーチングは良くなっていく

それは明日かもしれないし、来週かもしれない。不確かだが、続けていくことであなたの仕事はより良いものになっていく。最初の練習を覚えているだろうか? 緊張していただろう? 当然だ。私もそうだった。あなたのコーチングは、これまでにどれだけ改善したか理解できているだろうか? 来年になれば、今日を振り返って、どれだけ多くのことを学べたか、どれだけ自分の仕事が楽になったかに驚くことだろう。

4.あなたは、すべてにイエスと言う必要はない

あなたが何かに参加するよう頼まれるたびに、必ずイエスと答えなければいけないわけではないと知るべきだ。自身の限界を知れ。断る練習をしなさい。「心遣いありがとう。だけど今その仕事に貢献できる時間はありません」。もちろんプロとして自身が負うべき責務に関しては責任を負うべきだし、正当な対価を得るべきだ。しかし時間に関して現実的でいる必要がある。

Learn to say no:ノーと言うことを学べ。

5.すべての選手や親が、あなたを愛しているというわけではない

そして、あなたも彼ら全員を愛してはいないだろう。 それらの感情は、私としては完全に受け入れられる。 我々コーチは、選手と彼らの両親を愛するために雇われたわけではない。我々の仕事は、選手と両親に教えることだ。選手は、あなたを仲間として必要としているわけではない。彼らは自身が学ぶためのファシリテーター、ガイド、メンター、ロールモデルを求めている。

Give them what they need:彼らが求めるものを与えなさい。

6.あなたは、毎日創造的でなくてもよい

創造的であることを求められるときは、外部に助けを求めなさい。本やガイドブック、クリニック、協会のような組織は、より良い練習をするための手助けをしてくれるだろう。そして自身が効果的かつ意義のある練習ができるようになったなら(必ずできるはずだ)、ベテラン、新人、あるいはプロであろうと、あなたのアイデアをほかのコーチに共有しなさい。

Sit at the feet of Masters:師の教えを請いなさい

7.クラス、学生、プレーヤー、リクルート、メディア、そしてコーチングをすべて管理することができる人はいない

多少のマルチタスキングはよくありうることだ。しかし、あなたは限界を知らなければならない。

Beware of burnout. Remember #4:燃え尽きてしまわないように注意しろ。 そして4の教訓を忘れるな。

※小さな教訓「飲み過ぎに注意しろ」

8.何度か泣く日もあるだろう。しかし、良い知らせがある。笑う日もあるということだ

選手とあなたで、共に笑うことを学びなさい。

Patience is a great virtue:忍耐は、大いなる美徳だ。

9.あなたは、間違えを犯す。 それは人生だ。そして、それが学ぶということだ

間違いを取り消すことはできない。しかし、自分自身を責めることは逆効果だ。 その間違いが謝罪を必要とするならば、謝罪して、前に進みなさい。 間違いは人生だ。 人生はゲームではなく、誰もスコアをつけてはいない。

Put down the beating stick:自分を攻める鞭を置け。

10.コーチはこの世で最高の仕事だ

胸を張って立ちなさい。頭を高く上げなさい。目の前の人々に、誇り高く宣言しなさい。「私はバスケットボールコーチです」と。

You make a difference:あなたの人生は変わるだろう。

出典:10 Thoughts for Beginning Coaches|Stronger team
※本記事は出典元の許諾を得た上で、全文翻訳の形で掲載しております。

この記事の著者

Pure Sweat Basketball
あらゆるレベルの選手やコーチに、バスケットボールのトレーニングに関するさまざまな製品やサービスを提供している。CEOのDrew Hanlenは、ブラッドリー・ビール(WAS)、アンドリュー・ウィギンス(MIN)、ドワイト・ハワード(ATL)、ジョーダン・クラークソン(LAL)、ザック・ラヴィン(MIN)など、多くのNBA選手をクライアントに持つ。現在は、DeMatha Catholic High SchoolやMontrose Christianを始めとした強豪高校や、ナイキとの仕事を含む多くのパフォーマンスコーチの経歴を持つ、元Stronger TeamのAlan Steinがパフォーマンスディレクターを務めている。
puresweatbasketball.com