【シグネチャームーブシリーズ】W杯MVP カイリー・アービングのスキル解説 〜その2〜

今回は世界選手権にてMVPを受賞したカイリー・アービングについてです。各国の個人スキルの高さは僕が想像するよりも高いものでしたが、その中でもアメリカの個人スキルの高さは郡を抜いていたように思えます。そしてアービングの活躍は、大会を通じてMVPに相応しいパフォーマンスだったかと思います。

セルビアとの決勝戦でのスコアリングも圧巻でしたね。というわけで今回は、同ゲームのスコアリングハイライトよりプレー解説をしていきます!

世界選手権の得点ハイライトシーンはこちらの映像から

世界選手権での成績はこちらからどうぞ。

フィニッシュスキル:
ダブルクラッチ&ボールスピン(リムプロテクト)

ダブルクラッチはご存知の通り、時間差(降りながら)にてショットを打ちます。アービングは空中で打つ角度や打つ手を変えます。その際にボールとブロックハンドの間にリングを挟み、ディフェンスのブロックハンドをリングにて守りながらショットを打ちます。

ジャンプの高さは必要になってきますが、子どもたちに教える際に、レイアップのリリースタイミングを身につけさせる上でもダブルクラッチなどのスキルは必要になってくると考えています。

ミドルドライブ

ベースラインドライブ

ミドルドライブ-スイッチハンド

またこちらでは、アービングがボールスピンについて解説しています。

ステップワーク:ユーロステップ&アービングステップ

ユーロステップはオープンからのワンツーステップ、アービングステップはクロスからのワンツーステップになります(詳しくは以前の記事のアービングステップを参考に)。これはブレイク、ドライブの状況にて使用していました。

アービングステップ

どちらもステップ時のボールムーブはウィンドミル(頭上を通す、もしくは頭の後ろを通す)を使用することが多いです。ディフェンスとの距離が近いときにスイング(ボールを胸の前で通すボールムーブ)を行うとスティールされる危険性が高まります。そのためディフェンスとの距離に応じてボールを動かせることが大事になります。

この動画では、ジェームス・ハーデンがユーロステップについて解説しています。ボールムーブはウィンドミルにてステップを行っていますね。

ジェームス・ハーデンのウィンドミル

アービングは2ステップ時に身体が前に流れません。ロール後にもよく見られますが、ステップ
後にストレートアップからのフィニッシュプレーが多いです。

ロールターン後のストレートアップ

ドリブルワーク:ドライブ&ロール

次にリトアニア戦で行われたロールプレーについて考えます。通常ロールはクロススタンスの状態から行われますが、アービングのロールスキルの一つでは、オープンスタンスの状態からボールをためて小さくクロスステップを踏み、ロールを行います。また上半身と下半身の動きのリズムを変えながらロールを行うことで、ディフェンスに急に対応されても対応できるスキルの高さを持っています。

リトアニア戦のロールプレー

http://youtu.be/cgjaC4_AKFA?t=3m33s

USA代表のピックアップゲームにて

最後に

アービングの今シーズンの活躍も楽しみですね! さらに注目しながら試合、スキルをチェックしていきたいと思います。また最後になりましたが、更新が遅くなり申し訳ございません。この夏は色々なカテゴリーの試合を観て、様々なコーチの考えに触れていました。

また僕自身が日々の指導にて勉強中です。記事に関して、もしくは1on1に関してのご質問・ご意見等ありましたらぜひご連絡ください。今後とも宜しくお願い致します。

アービングに関して以前にも書いた記事になります。
もしよかったらこちらもご覧になってください。

NBAオールスター2014MVP カイリー・アービングのスキル解説

編注:岩井コーチのブログはこちら⇒Coach Tk Basketball Note

この記事の著者

岩井 貞憲バスケットボール スキルコーチ
1987年生まれ。千葉県船橋市出身。千葉県立船橋芝山高等学校から東京YMCA社会体育・保育専門学校に進み、東京YMCA社会体育・保育専門学校ヘッドトレーナーなどを歴任。指導理念「バスケットボールを通じて、最善をつくす喜びを知る選手を育てたい」