実戦のための5つのフリースロードリル
接戦の試合では、フリースローの出来如何によって勝敗が決することがあります。つまり、フリースローはバスケットボールで最も重要なシュートであり、コーチは皆このことを知っています。
それにも関わらず、ほとんどのコーチはフリースローの練習に十分な時間を費やすことはありません。行うにしても、効果的な方法で練習するわけでもありません。
ここで、より良いフリースローシューターになるための、5つのドリルを紹介します。しかしその前に、フリースローを教えるときに、コーチがする最も一般的な誤りについて話したいと思います。
目次
間違ったフリースローの練習
私はまず、「間違った」フリースローの練習について話さなければなりません。
よく見られるのは、選手がフリースローを5本決めるか、5本打つかといった形のドリルです。残念ながら、これは多くの初心者コーチにとって一般的となっています。
この方法が不適切である理由は、実際の試合と同じようなプレッシャー下ではない点です。このドリルの場合、選手は歩いてフリースローラインまで進み、大した努力や集中もないままシュートを撃ちます。これは、私が選手にしてほしいことではありません。
プレッシャー下では、あらゆる選手がまったく異なる考え方を持ちます。私たちは、実際の試合のプレッシャーをシミュレートしたフリースロードリルで、プレッシャーに対するマインドセットを植え付ける必要があります。
私がこれから共有しようとしているドリルはこれを達成するでしょう。選手が集中するように強制できるものだからです。
フリースロードリル
選手がフリースローラインに立つ前に、選手が疲れているようにしてください。これは実践的です。選手は試合中に疲れていない状態でフリースローを撃つことはほとんどありません。そのため、フリースローの練習は、負荷の高いコンディショニングドリルの後に行ってください。
ここからは、選手のフリースローを向上させるための5つのドリルを紹介します。これらのドリルは、チームドリルと個人のドリルの2つのカテゴリーに分かれています。
「個人のドリル」は完了までに時間がかかる、1人で行うドリルです。これらのドリルは、選手が単独でトレーニングする場合に使用してください。
「チームドリル」は、チーム練習で使うことをお勧めするドリルです。
個人のドリル(Individual Drills)
ここで紹介するドリルは、どれもあなたの選手のスキルレベルに合わせてカスタマイズできます。 例えば、シュートを決めた際のポイントと、ミスした際に失うポイントを変更することができます。
また、ほとんどは「プラス1、マイナス2」でポイントをつけます。2ポイントからスタートし、10ポイントに到達するといったかたちです。7ポイントの時点では、シュートを決めれば8、ミスすれば5になります。
1.スウィッシュ(Swish)
1つのゴールに選手を2〜3人ずつに分けます。5ポイントから始まり、10になれば終了です。このドリルでは、スウィッシュの場合は+1、スウィッシュでない決めたシュートのポイントは0、外れたシュートは-1ポイントです。
2. プラス/マイナス(Plus / Minus )
このドリルは、スウィッシュで決める必要がないことを除き、スウィッシュドリルとほぼ同じです。シンプルに保つために、5ポイントからスタートし、10ポイントにすることを目標としましょう。シュートを決めれば+1ポイント、外せば-1ポイントです。
チームドリル(Team Drills)
3.ラップ(Laps)
このドリルは、1つのゴールごとに3人の選手で行うのが最適です。ゴールの数が少なくてもうまく行うことができますが、選手の疲労が軽くなってしまいます。
やり方は簡単です。 5分間(またはあなたが望む時間)のうちに、最初の選手は2本のフリースローを撃ちます。彼が2本とも決めれば走る必要はありません。もし1本を外したら、選手はコートの端から端まで1往復ダッシュします。2本外したら、コートの周りを1週ダッシュします。
4. 連続シュート(In-A-Row)
1つのゴールごとに3人の選手に分けます。ドリルの目的は、時間が切れる前に特定の数のシュートを連続で決めることです。年齢やスキルレベルに応じて、シュートの量を決めることができます。
例えば、5本連続で決めなければならない場合、3回連続で決めた後の4本目で外したとします。その場合は、シュートを撃った選手がグループの後ろに並ぶか、6本連続で決めなければならないようにするなど、外した場合の対応を選ぶことができます。また、外した場合はコートを1往復させることもできます。
5.ベースラインフリースロー(Baseline Free-Throws)
選手は全員ベースラインからスタートします。ドリルは、チームの全員がフリースローラインに立ち、1本中1本決めることで完了します。しかし、チームの内だれか1人でも外せば、選手は全員コートを1往復ダッシュします。
チームの年齢とスキルレベルによってドリルを変更する方法はいくつかあります。育成年代のチームでは1本ですが、高校生以上であれば2本連続にしてもよいでしょう。この場合は、もし最初の1本を決めて2本目をミスすれば、選手は全員コートを1往復ダッシュした再びチャレンジします。
出典:5 Free Throw Drills for Your Players|http://www.basketballforcoaches.com/
※本記事は出典元の許諾を得た上で、全文翻訳の形で掲載しております。
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