『人生は美しい目的地に満ち溢れた冒険。夢に翼を与え、実現させましょう!』トーステン・ロイブル氏から日本の皆様へ(2022年に向けたメッセージ)

0、前置き

2022年12月現在、トーステン・ロイブル氏は、チェコバスケットボール協会で選手、及び、コーチ育成とで要職を務めている。同氏は、毎年末に、新年に向けて非常にパワフルなメッセージを届けてくれる。本稿執筆者にとっては、毎年のメッセージと、同氏の言動が一致し、大きなエネルギーをいただける。以前には、2016年より21年までのメッセージをご本人の許可の上で掲載をした。

コロナウィルス感染拡大の影響による未曽有の事態は続いている。夏には、日本社会を揺るがす痛ましい大事件もあった。新しい生活様式として提唱された様々なルールは、もはや「日常」になった。

2022年12月末現在も、多くの人が、夢や希望と同じぐらい、迷いと葛藤の中で生きている。実際、2020年12月末にトーステン・ロイブル氏から届いた言葉は、現在でも当てはまる部分も多い。

2020 was a year of big privations. We will remember this year as a terrible one.However the past is just a memory. It’s an important part of who you are today,but it is no longer actively in your life. What’s in our past can’t be changed!

2020年は大きな苦難の年でした。 この先、私たちはこの年のことを酷い年だったと記憶することでしょう。ただ、過去は思い出にしか過ぎません。確かに、今の私がどんな人物になっているかは重要です。しかし、今の自分の現状が今後も人生に積極的に関わり続けることは、もはやありません。

いずれにしても、私たちは、ロイブル氏も「the past is just a memory(過去は想い出に過ぎない」と断言するように、力強く前に進むしかない。ブラッド・スティーブンス氏の言葉を借りるのであれば“My goal is to win the next game one possession at a time. That’s it. I don’t have any other goals”である。

コロナ禍でのトーステン氏の口癖は、”COVID-19 might slow us down but can’t stop us!!(コロナウィルスは我々の歩みを遅らせるかもしれない。しかし、我々を止めることが出来ない)”である。言葉通り、現在も、EuroBBAは、チェコと日本とを繋ぎ、定期的に開催されている。

さて、今回も、御本人を許可を得て、約1年前、2021年末に届いたメッセージを紹介する。

2022年を迎える際のメッセージ(2021年12月下旬)

The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams.“
-Eleanor Roosevelt

We have a brain in our head and feet in our shoes. We can go any direction we choose!

2021 was the year I left Japan after 10 consecutive years – it has been an amazing ride and I want to thank you for your support.

Life is an adventure that’s full of beautiful destinations. Wishing you many wonderful memories made in the new year.

Give wings to your dreams and let them come true in 2022.
I also hope it is the year we can see each other again!

<日本語>

“未来は夢の美しさを信じる人のものだ” – エレノア・ルーズベルト

私たちの頭には脳があります。靴の中には、足があります。自分で道を選び、どんな方向にも進むことができる力があります。2021年は、私が10年を過ごした日本を離れた年でした。振り返る中で感じるのは、この10年間は、本当に素晴らしい旅路になったという事です。皆様に心から御礼を伝えたいです。
人生は美しい目的地に満ち溢れた冒険です。新しく迎える年に、貴方に沢山の素晴らしい思い出が作られることを祈っています。
夢に翼を与え、2022年に夢を実現させましょう。 また皆さんに再会できることを願っています 。

上記のメッセージが届いた2021年12月下旬、トーステン氏は、チェコバスケットボール協会の『Mentor National Team program』という役職に就かれていた。アンダーカテゴリーの代表合宿に帯同して実際に練習をすると共に、コーチを育成される役割も担われていたようだ。

20年以上の日本での活動、及び、EuroBBAの特徴は、その時々のトーステン・ロイブル氏のコーチング活動の文脈の中で、日本のバスケット界に有益な情報や機会を創出しようとすることだ。この時期には、『Mentor National Team program』という役職での繋がりを活かし、チェコ代表U16代表チームのキャンプ地とを繋ぎ、生中継を行った。配信画面では、実際にトーステンコーチが練習を指導されている様子も見られることが出来た。

また、U16男子代表ヘッドコーチであり、チェコ、スロバキアバスケ界のレジェンドコーチの一人でもあるFrantisek Ronさんもゲスト講師として登場し、貴重な知見を披露してくれた。

”Life is an adventure that’s full of beautiful destinations.(人生は美しい目的地に満ち溢れた冒険です。)”とトーステン・ロイブル氏は語る。EuroBBAの準備をする際、トーステン氏は、合宿地の観戦スタンドにPCを設置し、中継画面の様子を確かめていた。事務局の私より、良いアングルである練習風景を確認でき、収音も問題がない旨を伝えると、非常に嬉しそうな笑みを浮かべると共に、小走りにコートに向かう。チェコ男子U16代表チームの午後の練習がスタートすると、ご自身の担当セッションにて、非常にエネルギッシュに若手選手への指導をスタートさせた。「チェコのバスケットボールが世界の最高峰に辿り着くことに貢献したい」と語り、チェコでの仕事に邁進されている。”Give wings to your dreams and let them come true in 2022.(夢に翼を与え、2022年に夢を実現させましょう。)”とメッセージで語る通り、情熱的な指導であった。

本稿のクロージングとして、2022年1月のEuroBBA『The winner’s mind set』で紹介された”The Champion’s Choice”を掲載する。

The Champion’s Choice

この記事の著者

片岡 秀一ゴールドスタンダード・ラボ特別編集員
1982年生まれ。埼玉県草加市出身。株式会社アップセット勤務の傍ら、ゴールドスタンダード・ラボの編集員として活動。クリニックのレポート、記事の執筆・企画・編集を担当する。クリニックなどの企画運営も多く手掛け、EURO Basketball Academy coaching Clinicの事務局も務める。一般社団法人 Next Big Pivot アソシエイトとして、バスケを通して世界を知る!シリーズ 第1回セルビア共和国編では、コーディネーターとして企画運営に携わりモデレーターも務めた。 J SPORTSでB.LEAGUE記事も連載中。

宮城クラブ(埼玉県クラブ連盟所属)ではチーム運営と共に競技に励んでいたが、2016年夏頃に引退。HCに就任。これまで、埼玉県国体予選優勝、関東選抜クラブ選手権準優勝、関東クラブ選手権出場、BONESCUP優勝などの戦績があるが、全国クラブ選手権での優勝を目標に、奮闘中。