「夢とは、その過程、『旅』のことなんだ」Kobe Bryantからのメッセージ

Kobe Bryant, Paul Pierce

「夢とは、その過程、“旅”のことなんだ。」

Kobe Bryant’s Jersey Retirement and Speech

2017年12月18日、ロサンゼルス・レイカーズの歴史に新しい1ページが刻まれた。「8」と「24」、コービー・ブライアントが着用した番号が共に永久欠番となったからだ。

今回、本記事では永久欠番記念セレモニーでのコービー・ブライアントのスピーチ書き起こし、及び、日本語訳を掲載する。双方ともに、Los Angeles Harbor College(Men’s Basketball “Seahawk”)にてACにてコーチを務める東山真氏が製作をしたもの。「少しでも日本の人に彼の言葉を伝えたい一心で」とご自身のSNSに投稿されていた内容をGSLに引用掲載許可を頂いた格好だ。米国での活動期間も数十年となる東山氏であるが、話し言葉を正確に書きとるには多くの労力と時間が掛かったという。それもこれも、一人でも多くの方にコービー・ブライアントの素晴らしいスピーチを味わってほしいという思いに端を発する。末尾には、東山真コーチのFB/ブログ、コービー・ブライアントへの想いも紹介する。

コービー・ブライアント、チームの殿堂入り式典でのスピーチ (英文書き起こし:東山真)

I wanna say thank you so much for tonight. it not about my jerseys are hanging up there for me but jerseys are hanging up there before, uh,,,without them i couldn’t be here today. They inspired me to play at a high level, Magic, Shaq pushing me every day, ,,Secondary about this class organization. Jerry Buss, your father believes me, skinny kid from Lower Merion High School, Philadelphia.

It’s also about the next generation, ah, current Laker roster we have here. It’s about embodying the spirits existing in those jerseys up there, carrying this organization forward, then next 20 years better than past 20 years, that’s its about. And then it’s also about fans. Fans. ah the media. I don’t think you guys understand how present you guys are there with me. You guys were there with me 5:30 in the morning when I was running on a track and I was in mid way through my workout. I didn’t know if I can make it through. And I thought about an expectation you guys have on me and you have it for a team and pushes me through. You got me through those 800, 400, 100 at 5:30 in the morning so thank you.

It’s about family. It’s about my wife Vanessa. You guys don’t notice but the last game, my last game that we had here against Utah Jazz, I was very tired. I got home and I was like, you know what, I don’t know if I can do this thing, I have one more game left but I don’t have any legs. She said “I am gonna show you something, I have a gift for you before your last game.” and she proceeded to show me a roll of retired jerseys, from,,,,,,,,,,,,,all the personal messages signed to me, included MJ, great,,,,,,,,,, I saw that and I knew then I had to turn it up. Turn it up. So thank you baby being a inspiration to me. The lastly my daughters,,,,,,,,, ah ah ah I hope that’s tonight is not, you guys know that if you do the work, if you do work hard enough and the dreams come true.

You know that, we all know that. But hopefully what you get from tonight is understanding that those time you get up early and work hard, those time you stay up late and work hard, those time you don’t feel like working, you are too tired, you don’t wanna push through but you do it anyway. That is actually the dream. That’s the dream. That’s not destination, that’s journey. If you guys, you guy can understand that, what you will see happen is that you won’t accomplish a dream, your dream won’t come true, something greater will. And if you guys understand that I am doing my job as a father.

Thank you guys so much, I love you. Mamba out!

意訳、東山真、12/20/2017

まず最初に、今夜こうした式典を開いてくれたことに感謝の意を表します。 しかし、本当に大切なことは、今日、あそこに飾られた私のユニフォームではない、それよりも、今までもずっとあそこにかかっていた過去の偉大なる選手たちのユニフォームだ。彼らの存在なしには、今日僕はここに立てなかっただろう。彼からの刺激を受けたことで、僕は高いレベルでプレーすることができた。それは、マジックに始まり、キャブ、シャックたちが毎日激しく自分をプッシュしてくれた、ベイラー、チェンバレン、グッドリッチ、ウォージー、ウエスト、他にも数え切れないほど多くの皆が。そして2つ目にこの素晴らしいオーガニゼーション、ジェリーバス(もとオーナー)、(今のオーナー、ジェニーに向かって)君の父がこのフィアデルフィアのローワーメリオン高校出身の痩せた青年を信じてくれたから、すべてが始まったんだ。

そして、大切なことは次世代だ、今ここにいる現在のメンバーたちなんだ……。あの上に掲げられた数々のユニフォームに宿る「魂」、それらを未来へと語り続けて伝統を守ることにより、今までの過去の20年間以上に、これからの未来の20年間をより素晴らしいものにして行くことができる……そういうことが最も大切なことなんだ。そして、もちろんファンありきの話であり、ファンが最も大切だよ。そして、メディア。多分、君たちは気づいていないかもしれないけれども、君たちの存在は実は大きかったよ。早朝5:30に僕がトラックで走っているときもいつもそこにいたね。トレーニングの途中で疲れてしまって、今日は最後までできるかわからないな、と思った時でさえも……君たちはいつも僕とそこにいた……君たちがそこにいたから……君たちの僕への、そしてチームへの大きな「期待感」というものをひしと感じた……それがゆえに早朝の800m、400m、100mというものもやり切ることが出来たんだ。だから、ここで改めてありがとうと感謝の意を表したい。

そして、もちろん家族、僕の奥さんであるベネッサ。多分、誰も知らなかったと思うけど、僕のあの最後の引退試合の時、そうここでユタ・ジャズを相手にあったあの試合の前、家に帰って僕はとても疲れていたんだ……「最後の1試合を残しているけれども、本当にプレーしきれるか……わからないよ……。もう足が疲れ切っているんだ」。そうすると彼女が言ったんだ。「ちょっと見せるものがあるから、あなたの最後の試合の前にプレゼントがあるの」と、彼女は何と、沢山の引退ユニフォームの数々を広げて見せたんだ……それらは、ベイラー、マジック、シャック、キャッブからのもの……そこには個人的なメッセージがかかれていたよ……そこには、マイケル・ジョーダンからのものも、偉大なるビル・ラッセルのものも、偉大なるラリー・バードからのものも含まれていたんだ。そしてそれらを見た瞬間、すぐに気づいたよ。これはやりきらなくてはならない、スイッチを入れ直さなければならない、ってね。スイッチをいれてガンと上げていかなくちゃってね。そう、本当にいつもこうして自分を奮い立たせてくれる存在でいてくれて、本当にありがとう! そして、最後になったけれども、もちろん大切な3人の娘たち、ナタリア、ジアナ、ビアンカ。

今夜はそんなことではないんだ、君たちは知っていると思うけど、一生懸命やれば、夢って叶うものだけど……そんなことは誰でも知っていると思うけど……でも、今夜、皆に理解して帰ってもらいたいと思っていることは……早朝に早起きしてハードワークした日々、夜遅くまで残ってハードワークした日々、そして、時にはトレーニングしたくない気分の疲れ切った日、自分をプッシュしたくない日でも、とりあえずプッシュしてやり切った日々……実はそれらそのものこそが「夢」そのものなんだ、ってこと。夢とは行先(ゴール)のことではないんだ、夢とは、その過程、「旅」のことなんだ。もし、そのことを理解したうえで、ハードワークをしたら、何が起こるかというと……それでも夢は成し遂げるものではなくて、夢は現実にならないものなんだよ。ただ、実はもっと素晴らしいことが起こるんだ。もし、それがわかるといいな……そして僕はこうして今、「父親」としての役割をまっとうしようとしているんだ……。

今夜はみんな本当にありがとう。皆を愛しているよ……。

マンバアウト!(マンバはこれで去るよ!)

製作協力:東山真さん(Los Angeles Harbor College AC)

※母校であるCalifornia State University Long Beachにて。大学院でコーチングを専攻しながら、男子バスケに3年間学生スタッフとして所属した。

 

※写真:コーチKのクリニックに参加した際の1枚。コーチK、そして、ジョン・ウッデンの書籍に関しては、出版されている書籍をほぼ読破。 カリフォルニア(西海岸)からDUKE大学のあるノースカロライナまで7年間連続で参加した経験も持つ。「顔を覚えて頂いた時は感激しま した!」とは本人の談。現在の短大(Los Angeles Harbor College )では6シーズン目を迎えるが、職場でフルタイムのステイタスを捨ててパートとなることで捻出した時間により、ようやく得ることができた現場でのコーチングポジションだ。昨年頃より、4年制大学の中でもオファーを頂けるようになってきたという。18年目となる米国生活の中で、積み上げてきた活動に手応えも感じると共に、「プロとして、これでやっていける所まで」さらなるステップアップや、自身のコーチング力の進化に向けて奮闘中。「米国でずっとやって行くという覚悟を持って取り組んでいる」と日々の活動に挑んでいる。

東山氏ミニインタビュー

–「日本人のバスケットボールファンの人にもコービーの言葉を届けたい!」という一心で、文字起こしや翻訳をされたと伺いました。米国で長くバスケットボールに関わっている東山さん自身がコービーのスピーチを通じて感じた事は何でしょうか?

「この約5分25秒に詰め込まれた彼のメッセージ。必要なことを盛り込んだ彼のスマートさが光る。孤独であった戦いを周りの人への感謝の言葉に変え、自分のジャージのセレモニーを大げさに語らず、レガシーが過去と未来をつなく懸け橋として大切な役割を果たすコービーのスマートさ。ただ個人の偉大な選手としてでなく、チーム、オーガニゼーションを過去の20年間以上に、未来の20年間がより素晴らしいものとなるように……と願う器の大きさ。そして、やはり孤独な戦いの真実を語り、周りのサポートに感謝し、家族に感謝……そして次世代の若者たちに、我々すべてに、ドリーム「夢」とは、到達すべき行き先ではなく、そのプロセスそのもの、「旅」であることを伝えた。早朝に起きて、夜遅くまで残って、またはやりたくない日もなんとか自分にタフになってやり通した……そんなプロセスこそが「夢」そのものなのだと……今、我々の選手に伝えたい大切なことを彼の言葉を借りて伝えよう、明日……

マンバ、永遠!

なんだか現役の頃よりも、今の方が彼のファンになってきた気がする。現役の頃は、こんなことも知らずに見ていたんだなと。ファンは試合当日の氷山の一角しか見えないもの。その水面下にある大切なものを伝えられる、そんなコーチを目指して、これからも歩みたい」

<参考>

この記事の著者

片岡 秀一
片岡 秀一ゴールドスタンダード・ラボ特別編集員
1982年生まれ。埼玉県草加市出身。株式会社アップセット勤務の傍ら、ゴールドスタンダード・ラボの編集員として活動。クリニックのレポート、記事の執筆・企画・編集を担当する。クリニックなどの企画運営も多く手掛け、EURO Basketball Academy coaching Clinicの事務局も務める。一般社団法人 Next Big Pivot アソシエイトとして、バスケを通して世界を知る!シリーズ 第1回セルビア共和国編では、コーディネーターとして企画運営に携わりモデレーターも務めた。 J SPORTSでB.LEAGUE記事も連載中。

宮城クラブ(埼玉県クラブ連盟所属)ではチーム運営と共に競技に励んでいたが、2016年夏頃に引退。HCに就任。これまで、埼玉県国体予選優勝、関東選抜クラブ選手権準優勝、関東クラブ選手権出場、BONESCUP優勝などの戦績があるが、全国クラブ選手権での優勝を目標に、奮闘中。