「ショットクロックの違いがコーチングスタイルに与える影響の大きさを感じた」Highline Collegeバスケ部でACとして奮闘、土屋文貴氏インタビュー

「ショットクロックの違いがコーチングスタイルに与える影響の大きさを感じた」Highline Collegeバスケ部でACとして奮闘、土屋文貴氏インタビュー

『スポーツコーチングを普及啓蒙し、日本国内におけるコーチングの「ゴールドスタンダード」を構築する』とはGSLのミッションである。ミッションステイトメントとしては大袈裟に感じる方々も多いかもしれないが、平たく言うと、意欲のあるコーチにとって有益な情報発信をする事でバスケット、スポーツ界に貢献する事が目標。

そんな中、GSLでは、これまでにも、国内外で精力的に活動をしている若手コーチを特集してきた。これまでにも、St. John’s大学(NCAA D1)バスケ部のコーチングスタッフを経て、B.LEAGUEで活躍する福田 将吾氏(2017年より島根スサノオマジック)や、スペインへの留学経験を持つ保田 尭之氏(熊本ヴォルターズHC)、St.John’s University大学院に留学をし、同大学でスポーツマネジメントを学ぶ傍ら、Christ the King Regional High SchoolでACを務めた磯野 眞氏(今シーズンより、St.John’s University女子バスケ部のビデオマネージャーとして活動する事が決定)などの活動やインタビュー記事を公開してきた。

今回、活動を紹介するのは、GSLが運営サポートを行うEURO Basketball Academy Coaching Clinicの参加者でもあり、Highline Collegeバスケ部でもACとしてのコーチ経験を持つ土屋 文貴氏(1991年生まれ)だ。

土屋氏がアメリカのバスケットボールに強い好奇心を抱いたのは神奈川大学在学中に、bjリーグの東京アパッチの試合を観戦し、感動したことだという。その後、横浜ビー・コルセアーズ、東京サンレーヴスのインターンなどでアメリカ籍選手らと接する中で思いが強まり、語学学校へと留学を決意。様々な経緯を経て、Highline Collegeバスケ部へと辿り着く。詳しくは後述。

バスケ大国アメリカでの育成・競技環境に身を置く中で土屋氏が学んだ事は、一つひとつのポゼッション、そしてディフェンスリバウンドの重要性、そして、それを選手に伝えるコーチの手法だという。それには、NBA以外のアメリカバスケが多く採用している30秒ショットクロックの競技方式が大きな影響を与えているというのが土屋氏の見解。そして、その事が、若い選手がバスケットボール理論や理屈を理解するうえでも非常に役に立っているという。この部分についても、詳しくは本文で記述する。

※NCAAではショットクロックが45秒、35秒、30秒と減少傾向にはあるが、それでも、6秒の違いの大きさを実感しているという。

筆者(GSL編集部・株式会社アップセット片岡)も、以前に埼玉県立春日部高校バスケットボール部と、St Mary International schoolとの交流戦をマッチメイクした縁で、35秒ショットクロックで開催された試合を観戦したことがある。当時のSt Mary International schoolには、その後、U-19男子日本代表チームで活躍し、現在はNCAA D1のシェーファー アヴィ幸樹が在籍していた事もあるが、アーリーオフェンスで良いシュートチャンスが得られない場合、35秒のショットクロックをフル活用し、シェーファー アヴィ幸樹選手のゴール下シュートや、フリースローシチュエーションを非常に巧みにクリエイトしていたアウトサイド選手の素晴らしいスキルに驚愕をした経験がある。

現在は、神奈川県内でバスケットボールスクールでコーチを務めると共に、地元である静岡県賀茂郡松崎町でクリニック活動などを実施している土屋コーチ。アメリカへ渡米するまでの経緯、学んだ事や発見、現在の日本での活動などを伺った。

Highline collegeで経験したこと

ーー早速ですが、過去何シーズンか、Highline Collegeでコーチをされていると伺っています。コミニティカレッジというのは、日本式に言うと短大のような認識を持っておりますが、NWACというのはどのようなカンファレンスで、その中でHighline Collegeは、どのような立ち位置の大学なのでしょうか??

コミュニティカレッジというのは、日本でいう短大のような認識で変わらないと思います。ただ、ここに来る学生は短大で終わりではなく、NCAAのディビジョン1,2,3といった所へ編入することが目標です。NWAC(Northwest Athletic Coference)については、ワシントン州、オレゴン州のコミュニティカレッジからなるリーグになります。Highline Collegeは、西地区に所属するチームになります。卒業生には、ブライアン・スカラブリニがいます。

昨シーズンより、アシスタントコーチとしての役割を与えて頂きました。Highline collegeの近年の成績は、2013-14 NWAC トーナメント 全体3位、2014-15 ディビジョンタイトルを獲得、2015-16 NWAC トーナメント 全体6位です。

ーー渡米に至る経緯。最初の一歩を踏み出す際に、経緯など。また、そのような関係性を構築するようになった具体的な経緯について

大学在学中、当時の東京アパッチ対大阪エヴェッサの試合を観に行きました。その試合を観て、日本にもこんなに!面白いバスケットがあるんだと感じました。しかし、お客さんは少なかったことに疑問を思いました。

確か、前半20点差をひっくり返し最後にハーフコートからブザービーターでアパッチが逆転勝ちした試合だったと思います。当時の東京に、青木選手、ジェレミー・タイラー選手、ロバート・スイフト選手、バイロン・イートン選手がいたことが印象に残っています。バイロン・イートン選手のあの巨体であのスピード、ジェレミー・タイラー選手のダンクは今でも覚えてます!

大学ではスポーツマネージメントを学んでいたので、自分に何かできないかと考えました。そこで、横浜在住だったので、新規参入の横浜ビー・コルセアーズにインターンとして運営に携わりました。

その翌年には、東京サンレーヴスにも携わることができました。翌シーズン、どうするか考えていた時期に、ある選手の方が「スター選手をつくらなければ、日本のバスケットは変わらない」と言った言葉に自分も影響され、育成する力を勉強したいと思いました。そこで、本場のアメリカへ行って勉強したいと思いました。

チームを調べ上げ、各コーチへメール。Highline collegeのコーチより返信あり

ーーVISAなどの問題は、どのように??

長期滞在になるので、どうしてもVISAが必要でした。そのため、語学学校があるカレッジを20校ほどピックアップしました。その中で、コーチの経歴や場所などを考慮し、まず3チームに絞りそれぞれのコーチにチームに参加したいとメッセージを送りました。その内のHighlineのヘッドコーチから唯一返信があり、参加させていただくことになりました。因みに、英語力もなく知人も皆無だったため、今考えてもよく行ったと思いました(笑)

練習中は、コーチがとにかくポジティブで熱かったです! 選手以上の気迫を持っている姿は、あまり日本では見なかったことだったので、驚きました。
2シーズン目、3シーズン目に渡米し、大学チームに帯同する際のVISA取得などでも色々な方からアドバイスを頂いた上で、取得する事が出来ました。

ーー経歴やコーチの判断基準などは、どんなことを参考としてのでしょうか?? ライセンスや資格、コーチの哲学など、そういうのを見れるチームHPなどを参考に??

主に、2つのことを見ました。まずは、在籍年数をチェックしました。長くチームに在籍しているコーチは、基本的にチーム関係者や学校関係者から信頼されていないと長くいられないからと思いました。また、通算勝率も見ました。どのカテゴリーでも、勝たせてるコーチにはやはり素晴らしいコーチング哲学があると考えていました。

コーチミーティングで意見を求められ、提案。そこから信頼を勝ち取った

ーーここ数年間、日本滞在期間と、Highline Collegeのコーチングスタッフの一員として、日米でバスケットボール活動に励まれてき他と思います。Highline Collegeでは、どのような役割で、コーチングスタッフとして関係を持っているのでしょうか?

2013-14シーズンに渡米をしました。そのシーズン中は、マネージャーとして雑務から何でもこなしながらコーチングを勉強しました。1年目は文化や言語になれるだけで、必死だったので大変でした。

そのオフシーズンにサマーリーグがあり、それが転機です。このサマーリーグには、ディビジョン2や3の学校やコミュニティカレッジが参加するリーグになります。主に、新入生の実力を試しその年にどう使うかコーチ陣が試す場になるというかたちです。

そこで、ヘッドコーチからチームを指揮してくれと言われました。それがきっかけとなりました。その翌シーズンからは、チームのコーチミーティングに参加するようになりました。ある試合の前で、相手チームのビデオを観て、私がヘッドコーチに言った提案が上手くはまり試合に勝つことができました。それがきっかけとなり、毎試合映像を観てくれと言われスカウティングをするようになりました。

このサマーリーグには、ディビジョン2や3の学校やコミュニティカレッジが参加するリーグになります。主に、新入生の実力を試しその年にどう使うかコーチ陣が試す場になるというかたちです。

ーーHCに提案をする、というのは、非常に有機がいりますね。信頼関係があったからでしょうか?

まずは、地道に雑務をこなしていたからと思います(笑)言葉が通じなかった分、そういったところで信頼を勝ち取ろうと思ったので、提案してもお話を聞いていただけたのではないかと思います。あとは、本当に勝ちたかったため、言うか言わないか迷う前に気持ちが前に出ました!

その翌シーズンからは、チームのコーチミーティングに参加するようになりました。ある試合の前で、相手チームのビデオを観て、私がヘッドコーチに言った提案が上手くはまり試合に勝つことができました。それがきっかけとなり、毎試合映像を観てくれと言われスカウティングをするようになりました。

ーー今シーズン、結果ディビジョンタイトルは獲得し、トーナメントでは、6位と悔しい結果との事。シーズンの開始時期、レギュレーション、何か特筆事項はありますでしょうか??

シーズンの開始時期は、11月になります。11月、12月の試合結果は、プレシーズンという、リーグ戦の順位には影響しないものになります。実際のリーグ戦は、1月よりスタートし、同じ地区のチームとホームアンドアウェーでそれぞれ1試合ずつ行います。2月まで行われるリーグ戦の結果、各地区の上位4チームが最終トーナメントに進出することができます。因みに、地区は4つに分かれているためベスト16からトーナメントはスタートします。

ディビジョンタイトル=地区優勝トーナメント優勝=全体優勝となります。

Highline collegeの近年の成績は、2013-14 NWAC トーナメント 全体3位、2014-15 ディビジョンタイトルを獲得、2015-16 NWAC トーナメント 全体6位です。

30秒ショットクロックにより、ディフェンスリバウンドの重要性が際立つ

ーー試合のサイクルについては? 30秒のショットクロックがゲームに与える影響、それに伴うコーチングの変化が、選手への成長に好転している部分が多いという風に感じられているようですが、具体的にはどのような部分が?

試合は、基本的に水曜日の夜と土曜日の週2回組まれることが多いです。リーグ戦の他には、トーナメントなどに招待されることもあります。

また、ルールにおいてはショットクロックは30秒(※編集部注、リバウンド後も30秒のクロックを採用しているという)を使用しています。このルールについて、僕自身日本の育成年代にも必要ではないかと感じています。それは、リバウンドの意識向上とハーフコートオフェンス、ディフェンスにおける状況判断の向上です。現在、カレッジの試合においてオフェンスリバウンドを取られることは、失点することと同じ感覚で捉えられ非常に重要視されています。特に、僅差で負けていて、試合終盤におけるオフェンスリバウンドは、絶対に死守しなければいけないものです。また、ハーフタイムでのコーチミーティングでもまず最初に、リバウンドの割合をチェックします。

そして、このルールにはハーフコートにおけるオフェンスも多くの時間を割けるため、スクリーンプレーが何回もでき、タフショットを減らすことが期待できます。ディフェンスにおいても、長い時間行わないといけないため、チームディフェンスやコミュニケーションが問われます。

ーー土屋さんの、思想や個人的な意見としては、30秒クロックの良さを、上手く活用すると、選手のバスケット能力の向上に役に立つのではないか? という事ですよね??

まず、24秒又は14秒リセットの利点としては、素早い状況判断も生まれゲーム展開も早くなる事が挙げられます。しかし、それはプロの試合や国際試合をより面白くするものであり、それらを育成段階に求めることは早いのではないかと考えます。これにはメリットも必ずあります。ただ、デメリットとして色んな言い方があると思いますが、一つひとつのプレイの質が落ちてしまう恐れがあると考えます。

前述の通り、ハイラインの場合、リバウンドの数が凄く重視されます。それは、攻撃回数が少なく成るので、1つのリバウンドがゲームの勝敗に与える影響が大きいからです。試合後のフィルムセッションでは、ローテーション後のズレや、ボックスアウトの仕方まで徹底して分析され、選手にフィードバックされます。オフェンスでも、ドライブをする際のスペーシング、ポストアタックをする際のスペーシング、PnRからの展開やパスの選択肢、視野の確保を映像と共に非常に細かな分析、フィードバックが行われています。ここまで徹底しているのかと、非常に驚くとともに感銘を受けました。

日本の場合、試合後の反省なども、走り勝ったかどうか、シュートが入ったかどうか、気を抜いたプレーがなかったかどうか、ルーズボールを取れたかどうか、とそういう方面への指摘が多くなるのではないでしょうか?

勿論、上記は試合に勝利する為に本当に重要な事で、また、24秒クロック(14秒リセット)で試合が行われ、トーナメントの1発勝負が中心となる日本の仕組みの中では、最も効率的で、的確なフィードバックなのかも知れません。コーチの方も、細かな戦術や原因を理解した上で、取捨選択の上で、フィットネスやコンディショニングの部分を選択と集中でフィードバックしているケースもあると思うのですが、戦術理解度や、状況判断力の向上という点で、こういう部分から差が生まれていくような気がしています。

ーーBリーグの解説番組でも、コーナーへのパス、コーナー3Pが佐々木クリスさんによって説明されていました。NBAや、欧州、FIBAの大会でも、ヘルプの状況を見て、コーナー3Pのノーマークの選手へ鋭いパスを出せるかどうかの重要性を語っていました。それを可能とさせているのは、30秒クロックの中での、アメリカ式の練習だからこそでしょうか??

その大学の特徴であったりコーチの考え方があるため、一概にアメリカの練習が…とは言えませんが、僕らの練習は、ゲームの中で起こるであろうシチュエーションを何度も練習、確認をすることが多いです。そのため、リバウンドの部分も試合で修正するというよりも、試合に向けてビデオを使い問題を明確にした後に(ローテションの後に起こるズレなど)練習することが多かったです。

30秒ルールでプレーしているアメリカ人は、やはり状況判断や駆け引きが非常に上手いと思います。また、パスセンスがアメリカ人は素晴らしいと感じます。ドライブからインサイドの選手へのパスもそうですし、ヘルプが寄ってきた際の、逆サイドの選手への展開をする視野、スキル、状況判断も非常に素晴らしいです。走れたか走れなかったのかは、勿論、勝敗を分ける大きな要因ですが、アメリカの場合、プラスアルファの分析や、コーチと選手同士が、高いレベルでの共通認識を持っているように思いました。

その事を、アメリカのコーチに相談をしたこともあります。日本人は勤勉なので、的確なフィードバック、それを可能にする仕組みがあれば、日本人にも会っているのではないか? という意見も言われた事があります。

ーー具体的には??

「日本のコーチの持つ勤勉さは素晴らしい。育成世代のコーチが、フィジカルフィットネス(走る事)の練習を重視する傾向もあるようだが、24秒クロックと、トーナメントが多い競技ルールの中で、チームの勝利と選手の成長を両立しようとすると、どうしても勝利が必要になるので仕方がない部分もあるのかもしれない。ただ、もう少し、我々がアメリカ人選手に教えるようなディフェンスローテーションなどの深い理解、ディフェンスリバウンドの重要性を教え込めば、勤勉なコーチと、勤勉な選手とが相まって、もっともっと日本のバスケが強くなるのではないか?」という意見です。

私も、まさにその通りだと思いました。日本の教育的観点からみても、海外のクリエイティブさを求めるよりも、上手く海外のバスケットを取り入れながら日本人の特徴、特性を活かしたバスケットが大事ではないかと考えます。その中で、ショットクロックが異なるだけでも、違ったバスケットになるかもしれません。

現在、日本にいる間に、日本の育成年代のチームも外部コーチとして指導させて頂いたこともありました。その関係もあって、試合も良く観戦します。実際に自分が、アメリカ式ではないですが、まずは役割分担を明確に与え、一つひとつのポゼッションにしつこいぐらいにこだわり、ドライブからのパスコーチ・選択肢などを指導させて頂きました。自分の指導力や経験、限られた時間の中でのプログラムの作り方も影響していますが、なかなかうまく伝えきれませんでした。その前に、基本的なドリブル動作、パススキル、シュートスキルの始動も必要でした。その中で、地区予選の公式戦がやってきます。選手は試合に勝ちたいし、僕も試合に勝たせてあげたい。そうなると、フィジカルフィツトネスの比重が多くなりました。指導者の方が感じているジレンマが各地である事も感じました。

明確な役割分担が制約になる可能性もあるが、バスケの理屈を深く学べる利点もある

ーーご自身の経験の中で、アメリカと日本を比べた際の雑感について

トーナメント戦が中心となる方式の中で、勝利と育成を両立しようと、コーチの方々も非常に悩みながら取り組まれていると思います。その中で、どうしても、状況判断力が未熟で、経験も浅い選手を教える際に、フィットネス(走れるかどうか、トランジションでの体力)などに重点が置かれるケースもあると思います。

それ自体は、重要な事ですし、限られた環境の中で、コーチの方も教えたいことを我慢しながら、トランジションで負けないような戦略を選んで取り組んでいる事だとは理解しています。同時に、アメリカではショットクロックが30秒や35秒の為、役割分担や、戦術やスペーシング、ヘルプの位置など、非常に細かな部分までチームの戦術の中で教え込む印象を持ちました。選手にとっては、それが制約になる事もあるかもしれませんが、役割分担が明確なため、良い事、悪いことが明確に学べます。それを可能にしているのはショットクロックの長さもあると感じています。

ーーそれを踏まえて、今後の目標など

個人的な意見で言えば、30秒のショットクロックで、特に若い世代には、まずは明確にチームルールを与えた上で、その枠組みの中で、個人のスキルの向上。その後、選手のキャリア展望や、希望に合わせてスキルアップを目指す、という流れが好きだという意見の持ち主です。ですが、ショットクロックの件は、FIBAの国際基準に合わせる意味でも、育成年代の中でも採用されていると思います。育成世代の試合環境の仕組みも変わっていく大きな流れがある中で、一つひとつのポゼッションやリバウンド奪取にとことんこだわる(映像、選手の戦術理解、ハードワークさ、勤勉さ)現在のチームの中で、1つでも多くの事を学んでいき、日本のバスケ界の中で、フィードバックし、貢献していくことを考えています。

ーー最近では、地元である静岡県賀茂郡松崎町にて、クリニック活動もされていると伺いました。

はい、松崎町でスポーツ教室を開催されている「ウェルネスまつざき」様とで、地元の小・中学生を対象にクリニックを開催させて頂きました。Highline Collegeから上武大学に留学中のマーテル選手と、他の仲間と共に講師を務めさせて頂きました。

やはり、ここでも『ディフェンスリバウンドの重要性』や、その為の練習ドリルなどを強調した内容も織り込みました。アメリカで学んだ事、日本の競技ルールの中での織り込み方は、今後も自分のテーマとなってくると思います。

ーー上武大学で活躍をされているマーテル選手について

渡米した年に、日本の文化に興味を持っているマーテルに出会いました。マーテルから英語を教わり、自分からは日本のことを教えました。それから、日本により興味を持ち、日本に行きたいという気持ちが強くなっていったようです。そこで、大学の恩師に紹介していただいて、上武大学に入学しバスケット部で活躍中です。また、バスケットだけではなく日本の礼儀作法も大学で学んでいます。例えば、靴の脱ぎ方や挨拶やお辞儀の仕方などを身につけました。日本語の勉強や、日本の文化を理解する事へ非常に強い意欲を持っており、卒業後は、Bリーグでプレーを希望しておます。

ーー今後の活動について

今後は、教員免許を取得する事と、スクール活動、そして地元である伊豆地域へのバスケットボールの発展に貢献できるように取り組んでいく予定です。もし、何かクリニックのご相談などもご連絡を頂ければ、可能な限り、お伺いさせて頂ければと思います。

※現在、スクールに関しては体育館施設と、運営上のキャパの関係で募集は見送りの状態。コート確保などの関係が改善次第に新規選手の募集も再開予定。

ーー最近では、カナダへ留学をした教え子?の選手もいらっしゃるとか??

僕の教え子が、アメリカの高校留学を目指していたのですが、非常に学費が高かったです。そんな時に、同じ英語圏のカナダはどうかと思い調べていく内に、アメリカとの交流も盛んであり、教育にも力を入れていて、なおかつ学費を抑えられることを知りました。また、クラブチームもたくさんあるため、シーズンオフのときにもプレーができる環境ではないかと考えました。そこから、留学エージェントを使い、学校を調べて行った経緯なため、特に知り合い関係者がいる訳ではありませんが、非常に可能性がある環境ではないかと思います。本人には、厳しい環境ではあるとは思いますが、新たなルートを切り開き、良い経験となればと思います!

U-19ワールドカツプでもカナダは優勝を成し遂げました。スティーブ・ナッシュさんも様々な形でカナダの選手育成に貢献されていると伺った事もあります。特に、トロントが非常に盛んなイメージです。U-19代表選手も、多くがトロント出身だったように認識しています。

自身の経験を活かし、日本のバスケットに貢献できるように頑張っていきたいと思います!

土屋 文貴土屋 文貴

1991年生、静岡県賀茂郡松崎町出身。神奈川大学在学中、当時の東京アパッチ対大阪エヴェッサ、横浜在住だったので、新規参入の横浜ビー・コルセアーズにインターン、東京サンレーヴス,語学学校へ、留学。Highline Collegeバスケ部での活動などを経て、現在は教員免許取得の勉強の傍ら、神奈川県内でのバスケットボールスクールや、地元である伊豆地域などを中心に活動中。

※土屋コーチとコンタクトなどを希望される方は、GSL編集部までお気軽にお問い合わせください。

この記事の著者

片岡 秀一
片岡 秀一ゴールドスタンダード・ラボ特別編集員
1982年生まれ。埼玉県草加市出身。株式会社アップセット勤務の傍ら、ゴールドスタンダード・ラボの編集員として活動。クリニックのレポート、記事の執筆・企画・編集を担当する。クリニックなどの企画運営も多く手掛け、EURO Basketball Academy coaching Clinicの事務局も務める。一般社団法人 Next Big Pivot アソシエイトとして、バスケを通して世界を知る!シリーズ 第1回セルビア共和国編では、コーディネーターとして企画運営に携わりモデレーターも務めた。 J SPORTSでB.LEAGUE記事も連載中。

宮城クラブ(埼玉県クラブ連盟所属)ではチーム運営と共に競技に励んでいたが、2016年夏頃に引退。HCに就任。これまで、埼玉県国体予選優勝、関東選抜クラブ選手権準優勝、関東クラブ選手権出場、BONESCUP優勝などの戦績があるが、全国クラブ選手権での優勝を目標に、奮闘中。