ラマス・ジャパンも使うのか? アルゼンチン代表が用いた「フレックスオフェンス」完全ガイド:①フレックスオフェンスの概要

ラマス・ジャパンも使うのか? アルゼンチン代表が用いた「フレックスオフェンス」完全ガイド:①フレックスオフェンスの概要

当サイト『ゴールドスタンダード・ラボ(GSL)』と提携しつつも、なかなか記事を更新できていなかった『Basketball for Coaches』から翻訳しています。

*Basketball for Coachesの詳細は、記事下のプロフィールからご覧ください。

第1弾は、新しくバスケットボール日本代表ヘッドコーチに就任する、アルゼンチン出身のフリオ・ラマス(Julio César LAMAS)氏にちなみ、過去にアルゼンチン代表が用いた「フレックスオフェンス」を取り上げます。

元記事が大変長いので、GSLでは複数回に分けてお届けする予定です。

フレックスオフェンスの起源

まずはフレックスオフェンスの起源について簡単に見ていきましょう。

フレックスオフェンスは、1970年代に、シャッフルオフェンスのバリエーションとして、サンタクララ大学のキャロル・ウィリアムス(Carroll Williams)によって考案されました。

フレックスオフェンスで成功したコーチを見渡すと、フレックスオフェンスを用いて2002年にNCAAトーナメント優勝を果たした、メリーランド大学のゲーリー・ウィリアムス(Gary Williams)氏をはじめ、ウィスコンシン大学のボー・ライアン(Bo Ryan)氏、ボストン・カレッジのアル・スキナー(Al Skinner)氏、ユタ・ジャズのジェリー・スローン氏ら多くのコーチが存在します。もちろん全国にいる何百人もの高校のコーチたちは言うまでもありません。

ご覧のように、フレックスオフェンスはバスケットボールのあらゆるレベルで機能することが証明されています。 そればかりか、多くの高校のチームが用いる主なオフェンス戦術でもあります。

フレックスカットとは何か?

絶対的な基礎から説明しましょう。

フレックスとはこのカットから名付けられているため、これを読んでいる全てのコーチは、フレックスを細分化する前にフレックスカットについての知識を持たなければなりません。

フレックスカットは、コーナーのプレイヤーがペイントエリア側に向けられたスクリーンを使い、レイアップやゴールに近い位置からのシュートを撃てる場所でパスを貰うために動くことです。

フレックスカットは、コーナーのプレイヤーがペイントエリア側に向けられたスクリーンを使い、レイアップやゴールに近い位置からのシュートを撃てる場所でパスを貰うために動くことです。図の例を見てください。カッターはディフェンダーの位置によって、スクリナーのどちらサイドからでもカットすることができます。

このカットはオフェンス練習の多くを費やすほど練習させることが重要です。一度プレイヤーがディフェンスを読むことを学んだら、フレックスカットは多くの得点機会を生み出すことでしょう。

フレックスオフェンスの概要

フレックス・オフェンスは、スクリナーズ・スクリーンを含むダウンスクリーンを主として用い、レイアップやハイポスト近くからのジャンプシュートを撃つために、4アウト1インで連続的に仕掛けるオフェンスです。また主にマンツーマンに対するオフェンスですが、調整することでゾーンに対しても用いることができます。

またこれは、試合のペースを下げ、優れたスペーシングとボールムーブメント、パス、シュート、カット、全てのプレイヤーによるスクリーンが必要な、辛抱強さが求められるオフェンスでもあります。

そしてオープンショットを生み出すために、3-4回ほどコートの逆サイドにボールを展開するのが一般的です。

どんなチームがフレックスオフェンスを用いるべきか?

中学校から上級者までの全てのチームがフレックスオフェンスを使うことができます。

「私のチームではフレックスオフェンスを使えません。私のチームのビッグマンはドリブルができないのです」という声をよく聞きます。しかし私の返信は通常、「それでは、彼らがドリブルやパスの方法を学ぶ機会はいつになるのですか?」というものです。

もしあなたの唯一の懸念が試合で勝つことであるのなら、このオフェンスは全てのポジションが交換可能なため、単にすべてのスキル(パス、ドリブル、カット、スクリーン、シュート)が優れた選手に行わせればよいだけです。そもそも中高生年代でそのようなプレイヤーを備えたチームを見つけることは不可能に近いですが。

フレックスオフェンスでは、あなたのベストスコアラーにボールを集めたり、全てのポゼッションでオフェンスが不得意なプレイヤーを端にのけて1on1を仕掛けることを許しません。全てのプレイヤーが関与しなければならないのです。

このオフェンスを使用するコーチは、プレイヤーがこれらのスキルを全て完璧に行えることを期待できないものだと、実行する前に覚えていなければなりません。

フレックスオフェンスを導入することにより、あなたは徐々に経験豊富な選手を育成し、プレイヤーはバスケットボールのすべてのスキルやポジションのファンダメンタルを学ぶでしょう。

フレックスオフェンスはどの中高年代のチームでも用いることができると思いますが、これにより、さらにこのオフェンスに適したチームになるでしょう。

  1. チームの高さが不足している:あなたのチームに優れたローポストプレイヤーがいなかったり、高さに欠けているならば、それは良いオフェンスを作れるでしょう。つまりコートにいる全てのプレイヤーが絶え間なく動きを作り出すためです。
  2. シュートが上手いチーム:フレックスは全てのプレイヤーがアウトサイドからシュートを撃てるチームにとって優れたオフェンスです。そうでないのなら、ディフェンスがペイントエリアに下がってパスコースを塞ぐことを許してしまいます。
  3. バスケットボールIQが高いチーム:全ての選手がフレックスオフェンスを実行することで、プレイヤーはよりバスケットボールIQを成長させることができます。しかし最初から賢いプレイヤーがいる場合でも間違いなく役立ちます。

フレックスオフェンスの長所

簡単に学べること:フレックスオフェンスが高校年代でとても人気がある理由は、比較的簡単に学べるからです。

誰もが成長し、貢献できる:フレックスは真のチームオフェンスです。多くの中高年代のチームと異なり、多くの時間を1人のプレイヤーにボールを持たせたり、同じプレイヤーばかりにシュートを撃たせることに依存する必要がありません。誰もがオフェンスに関われるのです。

ポジションを問わない:フレックスオフェンスは、5人全てのプレイヤーのポジション交換を要求します。これは、全てのプレイヤーがコートのどこにいても快適にプレイし、全てのポジションのスキルを身につけたり自身を高めることにつながります。

ディフェンスを疲弊させる:フレックスオフェンスは、多くの場合オープンショットを求めて多くのショットクロックを使います。そのためディフェンスは長い間守らなければなりません。そして継続的にスクリーンプレイに対処しながら動かされることで、ディフェンスを疲弊させることができます。

テンポをコントロールできる:フレックスオフェンスを実行すると、試合のスピードが決まります。優れたチームに対してラン・アンド・ガンを行うのでなく、試合を減速できます。

大きなミスマッチを作り出せる:フレックスに対する一般的なディフェンス戦術は、全てのスクリーンでスイッチすることです。これにより、危険な場所でのミスマッチにつながる可能性があります。

完璧なプレイヤーを作り出せる:育成年代のバスケットボールでは、プレイヤーのポジションが限定されているのを見ることは、あまりにも一般的です。ビッグマンはスクリーンをかけ、ガードがボールを扱うなどです。フレックスでは、全てのプレイヤーが全てのポジションを学び、スキルを向上させなければなりません。ビッグマンはドライブを、小さな選手はポストプレイを、ガードもスクリーンを学ぶ必要があります。

ドリブルが少ない:育成年代で過度に使用されているスキルが1つあるとすれば、それはドリブルです。フレックスオフェンスは、プレイヤーがドリブルしすぎることを許しません。プレイヤーがフレックスの中でドリブルを使うときは、それは目的を持っていることを意味します。

多くのエントリー:ディフェンスを欺くための多くのエントリーがあります。

フレックスオフェンスの短所

予測可能性:フレックスオフェンスの最大の欠点は、予測可能性です。相手のチームは、オフェンスがカットしようとしている場所、スクリーンしたい人、そしてコートのどこでシュートを撃ちたいかを知っています。しかし対抗するための多くの代替行動が存在するため、必ずしも攻撃を止めることができるという意味ではありません。

パスの回数が多い:育成年代のバスケットボールでは、パスが多くなるほど、ターンオーバーする機会が増えます。

ゾーンディフェンスに対処すること:フレックスオフェンスを守る最も簡単な方法の1つは、ゾーンディフェンスを行うことです。ゾーンが許可されている場合、多くのチームが試合の早い段階でソーンに切り替わるため、コーチはゾーンへの対処方法を知っていなければなりません。

全てのプレイヤーがシュートできなければならない:全てのプレイヤーがアウトサイドからシュートを撃てる必要があります。そうでなければ、ディフェンスはペイントエリアに下がり、容易なシュートにつながるパスを断つことができてしまいます。

動き続けること:プレイヤーにとって、フレックスオフェンスの中で学ぶのが最も困難なことの1つは、いつ得点を狙いにいくのかということです。プレイヤーは、次にどこに動いて、どこにパスをするかにあまりにも囚われすぎてしまっているので、オフェンスの主たる目的が、バスケットボールをゴールに決めることであるのを忘れてしまいます。

第2弾に続く

ラマス・ジャパンも使うのか? アルゼンチン代表が用いた「フレックスオフェンス」完全ガイド:②フレックスオフェンスの基礎とエントリー


出典:Flex Offense – Complete Coaching Guidehttp://www.basketballforcoaches.com/
※本記事は出典元の許諾を得た上で、全文翻訳の形で掲載しております。

いいね!で最新記事も
チェックできる!