効果的な練習のための5つの”P・I・E・C・E”

効果的な練習のための5つの"P・I・E・C・E"

若き隼の1人、KJこと松井啓十郎選手は、かのマイケル・ジョーダンと1on1をした際に、アメリカに来るよう誘われたことで知られています。そして実際にアメリカ モントロスクリスチャン高校に入学。あのケビン・デュラントと同じチームで活躍。その後学業で知られるコロンビア大学を経て日本で活躍しています。

そしてモントロスクリスチャン時代にトレーニング指導を受けたのが、アラン・スタイン。Stronger Team(編注:現Pure Sweat Basketball)の代表で、アメリカでティム・グローバーに次ぐほどの人気を誇るS&C(ストレングス&コンディショニング)コーチです。本日はそんな彼からのアドバイスをご紹介。

効果的な練習のための5つの”P・I・E・C・E”

私が指導したこの20年間で、育成年代や高校生のバスケットボールは大きく変化し、中でも、選手は本当のオフシーズンを迎えることがなくなっていることに気づきました。

一方私の指導方法は、この10年間でいくつか修正されましたが、一般的なアメリカの高校のシーズンを考慮して、1年間を3つの段階に分けることは未だ変わりません。

しかしどのシーズンにおいても、ワークアウトの効果を最大限に発揮するには、選手には以下の5つのPIECE必要です。

P:Purposeful=目的を持つ

ワークアウトは動作のパターンと、実際に使用される特定のスキルに取り組むべきです。目を閉じたり片足で立ったまま3つのボールでドリブルするのは、youtubeなどでよく見られますが、それには目的が伴っているとは言えません。

I:Intense=高い強度で取り組む

ワークアウトは実際の試合を想定した強度で取り組まなければなりません。あなたは精神的にも肉体的にも、意図的に快適ゾーンから抜け出さなければなりません。 ディフェンダーがいない状態で数時間楽なシューティングを毎日しても、それは試合のシュートにほとんど役に立ちません。

※快適ゾーン=ストレスを感じないで、肉体的にも精神的にも楽でいられる状態。コンフォートゾーンとも。

E:Effective=効果的に行なう

ワークアウトは明らかな効果を生み出さなければなりません。そして進歩でき、望むべく改善が得られなければなりません。汗をかくことは効果的であることを意味しません。汗をかくことは目的ではなく、単なる生理現象です。重りのついたベストを着て、メディスンボールでドリブルしながら丘を登り降りすることは、確かに多くの汗をかくことになりますが、決して良い選手になれるわけではありません。

C:Challenging=挑戦する

練習では自身の限界を越えなければなりません。これはとても難しいことかもしれません。そしてこれは、あなたがミスすることを強制するものです。あなたが30分間のボールハンドリングドリルの中で、一度もミスすることがなければ、より成長することはありません。あなたが行なった全ての事柄は、既にできることをやったにすぎません。例えば、現在60秒間のエルボージャンプシュートドリルで10本決められるのであれば、あなたは1本でも2本でも多く決められるようにチャレンジしなければならないのです。

E:Efficient=効率的に行なう

ワークアウトでは、無駄な時間をなくさなければなりません。余計なものは必要ありません。目的を持ち、高い強度で、効果的かつ挑戦的な45分間の練習の方が、形式的な3時間の練習よりも優れているのです。


すべての練習でしっかり準備をして、毎回その場で指導するというのは、現実的に難しいこともあると思います。しかし常にこうした言葉を口にしていれば、選手は自発的にこのPIECEを実践するようになることでしょう。日本で一番熱い冬。ウィンターカップが始まっていますね。こうした舞台に出ることができた選手は、練習の一つひとつを大事にしてきたに違いありません。

引用元:http://www.strongerteam.com/2013/07/30/the-5-pieces-to-killer-workout/

この記事の著者

Pure Sweat Basketball
あらゆるレベルの選手やコーチに、バスケットボールのトレーニングに関するさまざまな製品やサービスを提供している。CEOのDrew Hanlenは、ブラッドリー・ビール(WAS)、アンドリュー・ウィギンス(MIN)、ドワイト・ハワード(ATL)、ジョーダン・クラークソン(LAL)、ザック・ラヴィン(MIN)など、多くのNBA選手をクライアントに持つ。現在は、DeMatha Catholic High SchoolやMontrose Christianを始めとした強豪高校や、ナイキとの仕事を含む多くのパフォーマンスコーチの経歴を持つ、元Stronger TeamのAlan Steinがパフォーマンスディレクターを務めている。
puresweatbasketball.com