”No Shortcut, No Excuse, No Regret.” 故Sava氏を偲ぶ大会 Sava Cup(主催:St Mary’s International schoolバスケ部)

男子バスケット界での注目の若手選手を尋ねられた際、シェーファーアヴィ幸樹選手の名前を出すバスケットファンも多いのではないか。

近年は日本代表にも継続して選出され、今シーズンよりシーホース三河に所属。上背はさる事ながら、屈強なフィジカルに加え、精悍な顔つきや、弾けるような笑顔でファン・ブースターからも人気を集めている。

◇St Mary’s International schoolバスケットボール部の存在

同選手のインタビュー等で頻繁に取り上げられるのが、U15世代まではサッカー等に励んでおり、高校から本格的にバスケットボールを始めたという彼のエピソードだ。詳細については各媒体に詳しい為、本稿では割愛するが、要点を記載すると、大まかに言うと下記のような項目が登場する。

「関西から東京に引っ越し、St Mary’s International schoolに入学した」・「高校でもサッカー部で活動をしていたが、そこまで強くない。練習などもしっかりと行うチームでは無かった」・「熱心に活動しているSt Mary’s International schoolバスケットボール部に興味を持ち(声を掛けられ?)、プレーをした」・「(インターナショナルスクールの選手などを中心に構成されるクラブチームである)TOKYO SAMURAIの練習試合でU16日本代表チームを対戦。その際にトーステン・ロイブルコーチに実力やポテンシャルを評価され、連絡等を取り、先行合宿等に参加するようになった」(以下、U18男子代表チーム、U19ワールドカップ等でのエピソードは割愛)

◇伝統を持つチームで、日本の高校・大学との交流も盛ん

St Mary’s International schoolは東京都世田谷区にあるインターナショナルスクールである。バスケットボール部の歴史は長く、所属等の関係でIH予選等には参加していないが、関東近郊の高校、大学と練習試合などを通じて交流も盛んである。また、上記に記載する通りに、同校のKris ThiesenコーチがHCを務め、インターナショナルスクールの選手でシーズンオフにもバスケットボールに励みたい選手を中心に、クラブの活動に関心を持った高体連の部活プレイヤーなどで構成されるTOKYO SAMURAI AAUというクラブチームも存在する。


 

 

 

 

 

◇Sava Cupに埼玉県立春日部高校なども参加

同校では、「Sava Cup」として毎年12月頃にインターナショナルスクールと、日本の高体連所属チームとの交流戦を行っている。大会名にある”SAVA”とは、かつて、同チームを率い、厳しくも、温かな指導方針で選手の成長を導くと共に、戦績としても素晴らしい成果を挙げ、選手や保護者から慕われていたコーチの名前に由来。

残念ながら、同氏は、若くして病魔に教われ、急逝してしまった。同氏を偲む意味合いで継続的に開催されており、高体連所属チームの参加費は無料。審判等の諸経費は、主催チーム側で賄う形式で開催されている。GSLでも出場チームの紹介や中継などで関与してきた。過去には、埼玉県立春日部高等学校や、つくば秀英高等学校などが参加した。

数年前、同大会の全日程終了後、最終戦を戦い、会場に残っていたSt Mary’s International schoolと春日部高等学校バスケ部の選手向けに、当時のHCであるGeorge Clarkson氏(写真左)が下記のメッセージを参加選手に送っていた。通訳は、当時高校3年生だったシェーファーアヴィ幸樹選手が務めてくれた通訳は、

若い選手の今後の人生に向けた、とても温かなメッセージの為、下記に記す。

『Sava Cupへの想い』George Clarkson

 

Sava Cupに参加してくれてありがとう。この大会は、故人であるコーチSavaを偲ぶ大会です。

かつて、St Mary’s International schoolを率いたにSavaコーチは、バスケットボールを愛し、優しさと温かさを持ったコーチでした。選手をとても大切に思い、1人1人を理解して、とても温かく、熱心に指導が特徴です。

彼は、同時に、厳しさも持ち合わせた人物でした。

バスケットでも、勉学でも、とにかく学生が手を抜く事を許しませんでした。

それはSavaコーチの信念だったからです。

バスケットでも、勉強でも、そのいずれかでも手を抜く事を一度でも覚えてしまうと
それがスタンダードになってしまう。いずれ、必ず、その両方がいい加減になってしまう。彼は、その事を危惧していました。

バスケットボールを愛し、共に時間を過ごした選手には『人生の勝利者になって欲しい』と彼は願っていました。だから、勉学でもバスケでも、僅かでも、妥協する事を許しませんでした。

彼は、 ”No Shortcut, No Excuse, No Regret.”という言葉を好んで使った。

・何かを達成するための、近道はない。
・コツコツと続けることこそが王道なのだ。
・環境を言い訳をしてはいけない。
・言い訳は何も生み出さない。
・過去に対して必要以上に後悔し、目の前の事を疎かにしてはならない。
・やるべき事をコツコツと積み重ねて欲しい。
・今という時は、二度と戻らない。この時間を後悔して欲しくない。

彼に率いられたSt Mary’s International schoolは、インターナショナルスクール
のチームで争われる関東リーグやFar East Touramentで好成績を収め、快進撃を続けていた。

だが、ある日、突然、病に侵され、病に伏す。そのまま、帰らぬ人となった。

誰の身にも、明日、何が起こるかは分かりません。このことを若い皆にも理解してほしい。

この大会は、Sava コーチの哲学や、熱意、彼の存在を語り継ぐために続けている大会です。

こうして日本の高校生とインターナショナルスクールの選手で交流戦が出来たことも、当たり前のことではない。サポートしてくれた方々、保護者の方、観戦に来てくれた方、審判をしてくれた人、勿論、ここにいる選手。皆がいるから成立している。

その事を、改めて胸に留めて欲しい。忘れないでほしい。

そして、一度、自分の胸に手を当て、自分の振る舞いを見つめ直してほしい。

バスケでも勉強でも、手を抜いていたり、疎かにしていると感じる部分があるなら、今すぐ決意をあらたにして、全力を尽くしてほしい。

それが、この大会を通じて若い皆様に分かち合いたい、Savaコーチの願いです。

大会に参加してくれてありがとう。皆の幸福を心から祈っています。

 

 

◇Sava Cupの様子

この記事の著者

片岡 秀一
片岡 秀一ゴールドスタンダード・ラボ特別編集員
1982年生まれ。埼玉県草加市出身。株式会社アップセット勤務の傍ら、ゴールドスタンダード・ラボの編集員として活動。クリニックのレポート、記事の執筆・企画・編集を担当する。クリニックなどの企画運営も多く手掛け、EURO Basketball Academy coaching Clinicの事務局も務める。一般社団法人 Next Big Pivot アソシエイトとして、バスケを通して世界を知る!シリーズ 第1回セルビア共和国編では、コーディネーターとして企画運営に携わりモデレーターも務めた。 J SPORTSでB.LEAGUE記事も連載中。

宮城クラブ(埼玉県クラブ連盟所属)ではチーム運営と共に競技に励んでいたが、2016年夏頃に引退。HCに就任。これまで、埼玉県国体予選優勝、関東選抜クラブ選手権準優勝、関東クラブ選手権出場、BONESCUP優勝などの戦績があるが、全国クラブ選手権での優勝を目標に、奮闘中。