
『ゴールドスタンダード』を通じて考えたこと、発見、学び、疑問などを考える連続シリーズ。第一弾は、編集者でもある岩田塁氏(写真左)。なぜ、彼は『ゴールドスタンダード』の翻訳版を日本で販売しようと考えたのか。編集者の考えに迫る。
なぜ、ゴールドスタンダードを日本で販売しようと思い、行動を始めたのでしょうか?
まず、私が出版を通してスポーツ界にどのような貢献ができるかと考えました。 雑誌社ではない弊社は、主に実用書という分野を主力商品にしてきました。このノウハウを用いてできるのが「スキル向上」の手引き(リソース)を提供することでした。
それが現在の育成年代の助けとなり、将来的に競技レベルの向上を達成することが可能だと考えました。また、自身が優れたプレイヤーでなかったため、多くの子どもたちにより役立つ良い情報を届けたいと考えました。そのために必要なのは情報の精査ですが、より有益な情報源として海外で出版されている書籍を探していました。
この本は、日本の読者にどのような価値を提供しますか?
「ゴールドスタンダード」はエンターテイメントでありながら、指導者層の方々に、チームの在り方というものを教えてくれると考えています。日本の体育としての指導ではなく、スポーツのコーチングというものを、コーチKの考察から読み取ることができると思います。
そもそも、なぜ、スポーツのコーチングが必要であると感じているでしょうか?
多くの指導者の方と出会い、お話しさせて頂く中で、特に育成年代では「選手の好きなこと、得意なことを伸ばしていく」という考えが単純に素晴らしいと感じました。
もちろんより上のレベルを目指す際は、それだけでは足りないと思いますが、スポーツが嫌いになって辞めてしまう人、結構いますよね?
スポーツコーチングの一端にすぎないかもしれませんが、スポーツを好きになってもらう、可能性を伸ばしてあげるという部分は日本には足りないような気がしたからです。
自分の中で、編集者としての仕事を多くの仲間と進めていく中での「ゴールドスタンダード」には何がありますか?
抽象的な話しになってしまうかもしれませんが、「本を出したその先を考える」ことが大事だと考えています。出版のための出版ではなく、その本がその読者や所属する業界などのコミュニティに対してどのような影響を与えることができるのか、また与えたいのかということを考えています。
『バスケ筋』シリーズでは身体を鍛えることへのパラダイムシフトが起こったと思いますし、ゴールドスタンダードではスポーツコーチングに対する意識がより良い方向へ向かえばいいなと考えています。
好きな言葉、シーンなどについて教えて下さい
どれか1つというのは中々難しいのですが、日本で行なわれた世界選手権決勝でアメリカがギリシャに敗れた後、カーメロのインタビューは印象的でした。
「僕たちにはまだプレイすべき試合がもう1つ残っています。これは僕たちにとって世界の終わりではありません。僕たちはこれまで一緒にやってきました。僕たちは共に勝って、共に負けます。そうやって自分たちはこの結果に向き合っていくつもりです。」p213
敗れてもなお、自分たちのゴールドスタンダードを体現したのは見事でした。また巻頭の写真は原書にはないのですが、ちょうどこの敗戦の瞬間を捉えた写真を掲載しています。他のシーンの写真も、本書に入り込んでいくために大きな役割を果たしたと思っています。
(インタビュアー:片岡秀一/UPSET)
岩田塁(イワタ ルイ)
1984年6月4日東京都出身。『バスケ筋シリーズ』『シュート大全』『ゴールドスタンダード』などを手掛ける編集者。将来の夢の一つは、地域に根差し、かつ世界的に通用する一流選手を育成するクラブチームを創設する事。
Twitter @rockdabase
この記事の著者
- ゴールドスタンダード・ラボ特別編集員
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埼玉県草加市出身。
埼玉県出身。B級コーチライセンス、コーチデベロッパー、ジュニアエキスパート保有。
ゴールドスタンダード・ラボ共同編集長。クリニックのレポート、記事の執筆・企画・編集を担当する。トーステン・ロイブル氏を講師とするコーチ向けEURO Basketball Academy coaching Clinicの事務局も務める。2023年4月より株式会社ERUTLUCに転職。
2016年より日本バスケ協会技術委員会・指導者養成委員会ワーキンググループや委員等も担当。様々な講習会のレポートや、JBAコーチカンファレンス質疑応答部分のモデレーター等を担当。
コーチ歴
宮城クラブ(社会人男子)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15・U18 AC
Club Peace of Mind男女U15






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