Euro basketball Academy “The Day before the game”

【The Day before the game  Euro BBAクリニックレポート】

 

■The Day before the game

2016年6月のEURO BBAでは、The Day before the gameというテーマを軸に、Game plan、Team talk、Final Practiceの3項目を軸にクリニックが開催されました。

トーステン氏が考える『試合に向けた準備・前日の練習に向けた考え方』についての一般論の説明の後には、U-16アジア選手権の3位決定戦での中国戦を具体的な題材として、実際に選手に話した内容、実際に行った練習などが伝達された。

余談であるが、この大会、残念ながら日本は世界選手権への切符をあと一歩で掴めず、4位で大会を終了した。準々決勝でフィリピンに勝利し、準決勝でチャイニーズタイペイに57-60で惜敗。反対側のブロック、中国対韓国では、予選ブロックで中国が韓国を圧倒していたこともあり、韓国が3決に回ると思いきや、韓国チームが気迫のアップセットを演じ、中国チームとの対戦が決まる。

予想だにしなかった状況の中で、スカウティングをし、ゲームプランを練り、前日の練習へと落とし込んだ内容は、勝利への強い意志、執念を感じさせる内容であった。同時に、非常に具体的であり、相手の特徴に応じて変更する部分、変更しない部分の線引きも明確。シンプルであるが、コーチの意図が理解しやすい練習構成ともなっていた。

▼U-16の悔しい経験から、U-18での栄冠へ

残念ながら、本レポートでは具体的な練習内容や、中国の選手の特徴に応じた対策の細かな部分までは伝達が出来ないのであるが、基本的な考え方、発想の基準を伝えることで、各コーチの皆さまの日々の活動に役立てて頂ければ幸いである。

また、繰り返しになるが、この中国戦では残念ながら敗退し、世界選手権への切符には届かなかったのですが、U-16チーム(当時)からU-18チームに選出された西田・鍵冨・伊藤・三森・中田選手らは見事にアジアで準優勝の戦績を残した。

U-18チームの試合の映像を見ていると。この時のトーステン氏の熱弁を思い起こされ、一戦一戦、コーチ・選手共に、最善の努力を積み重ねた上で試合に挑むことで、目の前の試合には負けることはあるかもしれないが、次のビッグチャンスを掴む大きな経験の蓄積になると感じさせてくれた。

▼宮城県出身の某大学院生の多大なる協力

また、下記レポートは、本人の希望で名前は出さないが、当クリニックの参加者でもある、バスケットボールのコーチング知識の習得に非常に熱い情熱で取り組んでいる某大学院生(宮城県出身)の協力によるレポートとなります。

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2016年6月クリニックレポート

The Day before the game
Game plan
Team talk
Final Practice

1、 Game plan について

・Scouting provide all information
スカウティングはゲームに必要なすべての情報を与えてくれる。
(最善の努力、最高の準備が必要)

・3 game
時間に余裕があるときは、3 試合分を見るべき。一つの試合だけではわからない。 相手の DEF(ハーフ、フル、トラップ、ローテーションなどを見る)

・Offence adjustment necessary!!
相手の DEF をスカウティングをするが、トーステン氏が好きなのは、必要以上にオフェン スのシステムを変えないこと。どんなプレッシャーの DEF が来ても基本的なスタイルは変 えたくない、基本的なやり方を変えなくても対応できるようにシーズンを通じて準備すべ きであるという思想を持っている。
ただ、相手のDEFの特徴や長所・短所に応じて、ファーストブレイクを試みる回数を増やす、ハーフコートの回数を増やす、アーリーのオフェンスを増やすなどの割合を変えている。基本的に、3~4 つのセットオフェンスがあり、相手DEFの特徴に応じて変更する。
<例>
Ball screen の対応が悪ければ、そこで仕掛けるセットを増やす、など。

2、 Team Talk について(day before game)

※配布資料では、U-16 アジア選手権での中国戦の事例が紹介された

・ゲームの特徴を話す
・相手チームのプレースタイルを話す(1 に関連)
・オフェンス、ディフェンスそれぞれのゴールについて話す。
(Goals fo Offence and Deffence)
<例>
・ペイント内での失点は、○○点までは OK だ。
・トランジションで失点をしてもよい点数を明確にする。

※日本人は真面目で一生懸命だが、責任を感じない傾向がある。その為、日本人選手をコーチする際には特に基準・役割・責任霊異記を明確にする必要があると感じている様子。
・ゲームへ挑む姿勢や、モチベーションの刺激

① 相手のチームが戦力的に強い時
→日本人選手は基本的にチキンハート。相手を尊敬しすぎる傾向がある。相手の弱点、自分たちが取り組んできたこと、自分たちの武器、やるべき事を思い返させるように刺激をする。

② 自分のチームのほうが戦力的に強い時
→自信過剰にならないように、相手チームの特徴は客観的に伝える。
3、 最後の練習
・short and Intense(短く、そして激しい練習にする)

4 時間の練習を 50 パーセントでやるより、90 分の練習を 100%で。 次のゲームでプレーさせたい基準の強度で練習をする。 経験上、大きな勝利の前の日は、殴り合いに近い雰囲気になる練習があった。
・Game plan Execution—get the team ready for playstyle
ゲームプランを遂行するための練習。 明日の試合をやり抜くための練習をしている、明日は特別な日が来る、、と感じながら練習 を出来るような工夫をする。
・Be more Postivie than usual(Confidence)
いつも以上にポジティブな雰囲気で練習をするようにコーチが工夫をする。選手が自信を もってプレーできるように配慮する。
4、 練習プログラムについて
※配布資料内に基本的なコンセプト図を記載。

① ウォームアップの中で、明日のゲームのキーになるコンテンツを入れる

<例> 中国チームのオフェンスの中で、最もケアしたい重要なオフェンスシステムをウォ ークスルーや、ディフェンスの動きの確認で教える時間を設けた。

※相手チームのオフェンスをやってみて(部分的に3対3 など)、それに対しての守り方の指示を伝えた。中国チームの場合、アーリーエントリーでのインサイド選手へのクロスス クリーン、そのスクリナーへのスクリーンでシューターをオープンにするプレー。

ここで、ビッグマンに対するクロススクリーンの守り方で細かな指示。スクリナーに対するスクリーンについてのスイッチのタイミングが事前のポジション・ビ ジョンの指示、ティーチングポイントや判断ポイント、出すべき声を徹底させた。

②トランジション練習の中で、ゲームのポイントを織り込む。

自分のチームが練習したいトランジションに合わせて、相手チームのトランジションの動 きを入れて、それに対する DEF の練習をする。
③ スペシャルスクリメージ
仮想、中国として、B チームの選手に中国チームのオフェンスや DEFをやらせる。 よくある事だが、この時に B チームが A チームに勝ってしまう時がある(たまに、、、ではなく、非常に多い)。時間としては、そこまで長くやらない。

④ ノーマルスクリメージ その後、自分たちのバスケの完成度を高めるための、いつものスクリメージをおこなう。

※例えば、スペシャルスクリメージが10×1本であったならば、ノーマルのスクリメージには10×2などの時間を割いていた。

⑤シューティング
ゲームで打つシチュエーションを想定したドリル。

<シューティングについての参考>

以前の講習会の際のプチレポート記事の再掲載。
(2014年10月下旬)

この日のテーマは「U-17 世界選手権より。世界のトレンドを学ぶ」というテーマで約120分間、講義、PCを使ってのモニター、実演を通じてクリニックが開催されました。その中の一つのテーマが「シュートセレクション」について。トーステン氏から明確な問題提起が行われ、それぞれのコーチに自チームにおけるシュートセレクトのルールをどのように選手と共有しているかについて問いが投げかけられました。

トーステン氏が指導をする際のポイントは下記の3項目との事です。

1、OPEN SHOT
2、YOUR SPOT
3、Second Shot chance

※Your Spotの定義とは「いつでも、限りなく同じフォームで打つ事が出来る距離・シチュエーション」で、かつ、「フリーの状態で7/10ぐらいの確率で入る場所」との事です。(勿論、各チームによって定義の変更は可能)。

問題としては、コーチによる選手のSPOTの把握が不十分なのと、選手が自分自身で、自分のShot Spotを把握していないケースだと言います。Second Shotについても詳しい理論の説明がありましたがここでは割愛します。

以前、JBL(当時)でコーチをしていた際、日本のプロ選手に「君の得意なシュートポイントは何処か?」と聞いた際、答えられない選手もいたとの事です。自分自身のシュート力、得意なシチュエーションを知る事の重要性を語られていました。

※EURO BBA運営事務局などの細かな作業により、トステン氏の講義の一部分を聞けなかったり、大事な部分で別の対応をしなければいけないなどの事情により、レポート制作などが遅れております。宮城県出身の某大学院生様のように、クリニックに参加できなかった方向けの情報発信などにご協力頂ける方がいると大変有り難いです。

(GSL編集部:片岡、特別協力:某大学院生(宮城県出身))

※写真は福井県の大西さん(今回の記事とは無関係)

福井県の大西コーチが関係あるEURO BBAクリニックのレポートはこちら

ゲームに関係するコーチング哲学について
(選手起用、タイムアウトの活用など)
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1178448188845331
https://www.facebook.com/GoldStandardLab/posts/1178441935512623

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