【寄稿】バスケ選手が知っておくべき栄養面の知識② 〜感染症〜
はじめに
管理栄養士の森口友恵です。先日の水分補給はいかがでしたか? 本格的に夏が始まりクーラーに頼ることも増えてきたかと思います。そこで今回は感染症についてお話しします。アスリートは感染症にかかりやすいといわれますが理由まで考えたことはありますか?
チームスポーツであればあるほどドリンクやタオルの共有など共有するものや時間が長いほどリスクは高まります。個人がかかると周りの選手やサポートスタッフに広がり最高の状態で競技に臨むことができません。周囲に影響がなくても体調悪化によるトレーニングの質の低下や怪我などを招く恐れもあります。そして風邪薬でうっかりドーピングなんてことも…。そうならないように紹介しますね。
免疫力とは?
病気にかからないためには免疫力が必要となってきます。免疫力とは、疫=病気を免れる力です。最初に目、鼻、口、腸などの粘膜が病原体をブロックし、次に全身免疫として侵入してしまった病原体を発熱や下痢などで攻撃と排除を行います。侵入してしまうとこれらの攻撃や排除により体調悪化を招きます。では実際どんなときに免疫が低下するのでしょうか?
免疫力低下のタイミング
☆高強度・長時間の運動
激しい運動を行うと一時的に免疫力が低下し、長時間になればなるほど回復は遅くなります。継続的に行うと安静時の免疫力が徐々に低下します。
☆脱水を伴う減量
減量期間が短くなるほど免疫力は低下しやすいです。
☆長時間の航空機移動
湿度や室温が低いのでマスクや水分補給で粘膜が渇かないようにします。
☆無月経や稀発月経
女性ホルモンの低下により免疫力が低下します。
対策
- 病原体を体に入れないようにする
- 練習量調整や物理療法によるリカバリーを行う
- 食事で栄養補給をする
食事としてのポイントはバランス良く食べる、免疫力を調整してくれるビタミンAとDの不足に気を付ける、1か月くらい乳酸菌の摂取を続けることをお勧めします。
バランスの良い食事はこちらを参考にしてください。
https://osabskpj.hatenablog.com/entry/2019/07/09/194139
ビタミンAは卵、チーズ、肝臓、モロヘイヤ、人参、あしたば、かぼちゃ、春菊、ほうれん草、小松菜、にら、大根、ビタミンDはきのこ類に多いです。
睡眠などの休息をきちんととってバランス良く食べて適度に運動する”意識”から始めましょう!
参考文献
- 感染症を防ぐ免疫コンディショニングガイド
- 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
この記事の著者
- 「バスケに携わる全ての人々と共に未来を創る」という理念のもと、バスケを日本一のスポーツへ発展させ、バスケを日常に、身近な存在にすべく様々な活動を行なっております。主にはトレーナー・治療家・栄養士が集い、子供から大人,プロまで幅広い層へのサポートや指導、イベントを実施(怪我の予防や、ケア、身体の使い方、食事面のサポート、チーム帯同など)。活動の詳細や実績につきましてはHPやSNSに掲載しておりますので是非ご覧くださいませ。また、ご依頼やご相談など。お気軽にご連絡をいただければと思います。
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